星屑の煌めき




(Fate/月姫/七夜)これも所謂、運命




「…………私ね、思うんだけど。
本気で魔術師として才能ないと自分で思ってるよ、今切実に……」

「これはこれは。喚ばれてみれば……随分と粗野なお嬢さんだな」

「……うん……まあ、とりあえず形式として聞いておこうか。
こほん────貴方は、私の召喚に応じてここにきた。
貴方は私のサーヴァント、そして私は貴方のマスターです。
とりあえず、貴方はなんのサーヴァントなのかってのを聞きたいんですが」

「さてさて、こちらのお嬢さんは物事には順序というものがあるのをご存じかな?
人に名を訊ねるのなら先ずは自分から名乗るってのが、筋だろう?
それと────どうして俺がここにいるのかを説明してくれると助かるのだが」

「この人────私の嫌いなタイプ……!
……ごほん。失礼、私はザビ子、魔術師です。
貴方は私の使い魔として喚ばれた存在です。
貴方は私の命には逆らえず、貴方は私を守らなければならないという立場です。
そして────貴方は、私を聖杯戦争に勝たせるという絶対の約束を結んだ間柄にいる訳であります」

「聖杯戦争? なんだ、そんなものにこの俺が喚ばれたのか……なんの因果が働くか相全く分からないな」

「こちらが言うべき事は終えました、今度は貴方の番です。
貴方の役割クラスと真名をマスターである私に教えて下さい」

「────────俺は七夜志貴。
クラスは…………まあ殺人鬼だ、喚ばれたて故か色々分からない事だらけだ。
これも偏に、ご主人様マ ス タ ーである君の乱暴な召喚故だ」

「……悪かったっすね乱暴な召喚で。
こちとら初めて聖杯戦争に参加するんだからその辺は多目に見て欲しい所ですがね。
それにしても──────『ナナヤシキ』……そんな名前の英雄なんていたかなぁ……」

「嗚呼。残念ながら俺は英雄だなんてそんな下らない存在ではないよ。
俺は俗に言う────────悪霊や悪鬼の類さ?」

「…………はぁっ!? え、ちょっと待った。
貴方……過去に偉業を成し遂げてその魂を昇華され、輪廻の輪から外れた場所に眠る英雄じゃないの!?」

「俺はそんな全うな魂じゃないよ。
……俺は『志貴』の水面下に眠る殺人衝動、アイツ自身が恐る自分自身。
それがタタリによって具現化されたモノがこの七夜志貴オ  レって訳だ」

「タタ、リ……? ちょっと待った……それってまさか…………『死徒』って、言わない?」

「御名答。いやはや、察しの良いご主人様を持つとこちらも有り難い。
そう。その死徒二十七祖の十三────通称“ワラキアの夜”の能力により生まれている存在。
それが、この俺だ」

「……つまり。貴方は英雄でも反英雄でもない、ただの悪鬼If……だと。
で、なんでか知らないけれど貴方は私のサーヴァントとして喚ばれてしまったって訳か。
ふぅん……話に聞いた聖杯戦争とはだいぶ違うな、これは面白い事になりそうだ。
────────よし、改めて自己紹介をしよう!
私はザビ子、穂群原学園高等部二年です、聖杯戦争初参加だけど勝利を狙っています、宜しくっ」

「これはどうも御親切に……丁寧な挨拶痛み入る。
先程も名乗ったがまあ良いか。俺は七夜志貴、歳は17。
喚ばれたからには役目を果たすが、俺は俺のやりたいようにさせて貰いたいんだが?」

「ウッソ同い年!? そういや学生服学 ラ ン着てるし学生なのかなって思ったらホントに学生だったんだ……同い年でこの色香、ちょっと負けた気分……」

「オイ、聞いているのかザビ子。俺は俺の好きにやると言ったんだが?」

「……え? あ、あぁうん聞いてるよ……うん、そうだな。
『一般人には手を出さない』、『夜以外は霊体化している』、『私を聖杯戦争の勝者にしてくれる』を守ってくれるなら、良いよ」

「クク、それくらいお安い御用だ、ご主人様?
こんな下らない児戯直ぐに片付けてやる、貴女様の勝利でな……?」

「…………っ!? ちょ、いきなりなにすんの七夜!?
誰がそんなに仰々しく傅けって言ったよ、誰が私の手の甲にキスをしなさいって言ったよ、誰がそんな古臭い忠誠の誓いを立てろって言ったよ!!??」

「おやおや? こんな事でそうカッカしていたらこれから先やっていけないぞご主人様?
それとも────────未だその構えから察するに、男とこんなに近くまでくっついたコトは無いのかな、ザビ子は……?」

「〜〜〜〜……っ!? 無駄に私に近寄らない、も条件に付け足すぞコノヤロー!!」

「クク……勇ましいねぇザビ子。まあ勝気な女は嫌いじゃあないぜ?
これから先、いつまでコチラに居られるか分からないが何卒宜しくな、ご主人様?」

「よぉし、令呪を以って命ずる、自害しろ七夜志貴ィイィィイイ!!」








































殺人鬼と過ごす15日間。

「さてと。取り敢えずは夜なので他のマスターを殺しに行きたいんだけど……七夜は霊体化して私の傍に居て下さいね」
「ただそばで君を見ているだけかい? それは迚も酷な事を言う、俺は愛しいマスターに触れることさえ叶わぬのか……」
「あーもー、そのいちいち臭いセリフ回しと無駄に良い声止めてくんない!?
耳元で囁かれると恥ずかしくて仕方ないんだけど!」


10/15 七夜さんハピバ!
















◆ ◆ ◆



















































←前

次→


230/329ページ


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!