星屑の煌めき
(銀魂/山崎)自らを顧みないから心配だ
「お帰りザキ君、お疲れ様〜」
「あ、ザビ子さん。山崎退、只今帰隊しました」
「うん、ホントお帰りー。早速で悪いんだけど、調査書を提出したら襦袢だけになって私の部屋に来てね」
「え……じゅ、襦絆だけっスか」
「うん、そう。なんか用事があるなら時間ずらすけど?」
「いえっ別に用事は無いです!! ……分かりました。コレを提出次第向かわせていただきます」
◇ ◇ ◇
「お、ザキ君来たね。ささ、入りなさい」
「し、失礼しますっ」
「とりあえず。そこにかけてくれるかな、上半身出して待っててくれる」
「は、はい…………ぇ、俺なにされんだコレ」
「────ほいほい、ザキ君の診療録はどこ行ったかなぁ、と……あ、あったあった。
お待たせザキ君。それじゃあまずは心音から聞こーか。ついでに心拍数も計るから腕貸して」
「へ……? あ、はい。…………なんだ、診察か……勘繰って損した」
「…………」
「…………」
「……うん。脈に不自然な乱れはなし、と。……心拍数、一分間に七十二回、前回より少し速いが概ね良好。
はい、もう上着て良いよ。じゃあ次は血圧を計ろーかザキ君」
「あ、はい。…………ん? でも診察ってこの前したばっかだよな、アレ?」
「血圧は…………あ〜、ちょぉっと炭水化物の摂り過ぎかなァ、数値が思いの外高いよぉ?」
「マジッスか? あ〜、多分ここん所あんパンと牛乳しか食ってなかったから、それだと思います。
もう当分食いたくねーと思うぐらい食ってました」
「ザキ君、願懸けだかなんだか知らないけどさ、栄養バランスだけはちゃんと考えて張り込みして欲しいな。
良いかいザキ君。ただでさえ、真選組は男所帯で不衛生で不潔極まりないんだからさ、食事だけはちゃんとしていただかないと、真選組専属医師の私に叱咤叱責がくるんだから」
「……すいません、今度からはカロリーメ○トとポカ○にします」
「いやそれ根本的になんも解決されてないよザキ君?
全く……良いことザキ君。君は監察方だからこれから先、絶対張り込みの仕事が入るでしょう、張り込みは体力勝負。
それなのに君は張り込み中はあんパンと牛乳しか貪らないという変な願懸けをするから、身体壊したり運がなかったり地味だったりするんだよ」
「すみません最後の二つ要りませんよね必要ないですよね!?」
「うん、要りませんよ。まあ冗談だよ冗談。
とりあえず今日は点滴を一時間して、栄養サプリメント剤飲んで二、三日は療養する事。
反対意見は認めませんよ、たとお副長さんでも黙らせます。
貴方達のお仕事が江戸を守護する事なら、私の指命は隊士の健康をお守りする事ですからね」
「ザビ子さん…………格好好いっス!!」
「ザキ君は、これを見る限り鉄分も不足してるみたいだ……これから朝・昼・晩とこのサプリと海草類を摂ってね。
あ。私のオヤツ食べる? あんパンだけど」
「もう当分食いたくねぇって言ったよね俺、というかアンタ今先刻ちゃんと栄養あるもの食えって言ったばっかで良く進められるな、つかそもそもあんパン好きじゃねぇし!!」
「あはは、良い反応だザキ君。おっもしろー。
冗談はさて置き、これから張り込みするなら事前に言ってね。サプリと薬を渡すから。
とりあえず今日処方する薬は、精神安定剤と各ビタミン剤ね。ビタミンは食後に飲んで安定剤は寝る前に飲む事。
それじゃあお疲れ、もう部屋に戻っていいよ、ゆっくり休んで疲れを取りなさい」
「はい。有り難う御座いましたザビ子さん、失礼します────────…………っ、なんか無駄に緊張して損したァ……!!」
その眼差し、“宛ら保健医に恋をする男子生徒の様だ”と沖田がニヤケながら言いふらしていたのを確認。
「副長さんも再検査の必要有り、と……真選組はどうしてこーも不衛生と不摂生の限りを尽くすのか不思議でならない……。
局長さんに至っては、まあ、頭に手負いだし。
沖田君は……あと何年持つか分からない……」
「……ぁ、良い所に居た。今日は副長さん、後で私の部屋に来て下さい」
「あー、俺この後私用があっからパス」
「だが断る。ちゃんと来ないと副長さんのご飯にだけ毎食微量のヒ素を混入させますよ」
「おぉい、殺人勧告及び殺人未遂で縛につきてェのか?」
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