星屑の煌めき
(Fate/遠坂)気になるあの娘はレッドデビル
「ねえザビ子」
「? なに、凛?」
「貴女、士郎と晴れて恋人同士になったわりには、全然進展無いわね」
「ぶっほぉ!! ゴホ、ゴホゴホ……し、進展、と申しますと……?」
「恋人同士が普通にする事を貴女達は全くしてないって言ってるのよ」
「……え〜…………というか何故に君は私達の事情をご存知なのか、ソレに一抹の恐怖を覚えるんだが」
「デートは一回きり、手は繋がないわキスもしてないわで、見てるこっちが消化不良になる位ちんたらしてんの、アンタ達」
「な、なんでそこまで知ってるワケ!? え、やだ怖い!!」
「ザビ子、アンタ女として悔しくない訳!?」
「ぉう……か、肩をがっしりと掴んだ状態で前後に激しく揺すらないでー、気持ち悪い〜」
「いい事ザビ子、要するにアンタ女としての魅力ゼロって言われてる様なモンなの、分かる!?」
「ぐ……そ、そう言われると確かに……そんな気がしてきた」
「そうよ、ここいらで一発あの朴念仁唐変木大馬鹿野郎にガツーンとでっかい攻撃を喰らわしてやるべきよ!」
「う〜ん……なんか違う気が」
「そうと決まれば後は任せなさい、このわたしがなんとかしてあげるわ!!」
「うん、ヤな予感しかしないのでこれにて私は衛宮邸に帰らして頂きたく思いま────」
「そんなコトさせると思うかしら?」
「DEATH☆よね!!」
「そうね……まず手始めにアンタの服装から手を加えましょうか」
「……はぁ、服装ですか」
「貴女。私服は全部メンズ系で済ましてるでしょう」
「……はい、基本的にメンズ系は値段が安いので、ワゴンセールになってる奴を購入してますが」
「駄目よ! 貴女も女として生まれてきたからには着飾ってなんぼでしょう!? ったく、なんで桜といいアンタといい、服装に気を遣わないのかしら!」
「桜ちゃんは可愛いじゃない、アレ似合ってると思うんだけど」
「確かに可愛いけどアレじゃ地味過ぎるのよ、あの娘の可愛さを引き出すにはもっと他に良い服があるってのに……!」
「うーん、凛って意外と姉バカだね」
「…………煩いわね。悪い?」
「ううん悪くないよ、とっても良いと思う。姉妹なんだから仲良くしなくちゃ損だもん」
「そんな事より、今はザビ子、アンタの私服改造計画の方が重要なの!
正直言うと、貴女の私服は女の子としての魅力ゼロ、もうはっきり言って論外なの!」
「はっきり言われるとショックなんだけど、流石の私も凹むよ!?」
「という訳で。遠坂の家に来て貰ったのは他でもないわ。
綺礼が一方的に押し付けてきたこの服を着てもらう為よ♪」
「ワア、なにその一掃処分的な感じ。つかあの神父が贈る服って衣装みたいで恥ずかしいんだよね……まあセイバーは似合ってるから良いけど」
「わたしとしては是非ともコレを着てもらいたいんだけどっ」
「メイド!? ちょ、それhollowん時セイバーに着せたいとか言ってたミニスカメイド服じゃ────!!」
「ほら、ちゃっちゃと脱ぎなさいな」
「ちょ、服を脱がさないで欲しいんですが!? 君女の子としての恥じらい云々は持ってないんですか!?」
「抵抗しないでよザビ子、時間がかかるでしょうがっ。潔く盛大に脱ぎなさいよ」
「〜〜〜〜っ、分かった、分かったから! 脱ぐ、脱ぐからちょっとあっち向いてて!」
「よしよし、やっと観念したか。じゃあ脱いだらコレを着なさい?」
「…………この、あかいあくま」
「なんか言ったかしら?」
「なんも。────────────────着替えましたよ」
「あら、意外に早かったわね。どれどれ……うん、やっぱ似合うじゃない。
やっぱり女の子なんだからそういう可愛いカッコもしないと、女が廃るってもんよ♪」
「……ミントギンガムチェック柄のワンピースにアイボリー色のカーディガン……これはちょっと、アレですよ、遠坂さん?」
「ぃよし、アンタそのカッコのままで衛宮邸まで帰ったら士郎をデートに誘いなさい。アイツ確か今日はバイトなかった筈だから」
「一人の話を聞いて下さい遠坂さん!!」
「分かったからさっさと行きなさい。もうわたしは満足したから帰って良いわよ」
「ちょいと遠坂さん、今本音がポロリと出ましたよね今明らか飽きたって言いましたよね?」
「あーもー、うるっさいわねぇ……さっさと、行けって、言ってるでしょーが!!」
「おぶぱ!?!? ……ちょ、なにも追い出さなくても良いじゃな、って私の服そこに脱ぎっぱなんですけど、りぃぃぃん!!??」
「後で向こうに届けに行ってあげるから、アンタはさっさとあの馬鹿をデートに誘うコト、じゃないとあとが怖いわよ〜」
「…………っの、あかいあくまァアァァアア────────!!」
感謝はするけどさ! けど、釈然としないのは何故!
「お帰りザビ子……ってウオッ、ど、どうしたザビ子その格好!?」
「ぇーと…………衛宮くん、私とこれからちょっと新都でデートしませんか?」
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