星屑の煌めき
(銀魂/銀時)光の射さない部屋
「ザビ子、ザビ子！ 銀ちゃんの部屋でこんなの見っけたアル！」
「おー、なした神楽」
「これこれ、見てヨ！」
「っ…………！？ ちょ、まだ神楽には早い！！」
「ふぬぉッ！？ ……ザビ子いきなりなにするアルカ……なにも私の手ごと叩かなくても……」
「ぅあ、ごめん神楽！ どっか怪我ないか！？」
「ないケド……ザビ子それなぁに？」
「神楽は知らなくて良いんだよ、向こうに私がクッキー作ったからそれでも食べてなさい？」
「ホント！？ 私ザビ子の作った料理なら一人で全部食べれるアル！！」
「────────はぁ……クソ、銀時の奴こんなの隠し持っていたとは…ウチには多感期のガキが居るっつーのに……。
これは…………銀時が帰ってきたら、要再教育が必要だな」
◇ ◇ ◇
「うーい、皆の頼れる銀さんのお帰りだよ〜……頭痛ェ、ザビ子〜風呂沸かしてくれぇ……」
「────お帰り銀時。呑んだくれて帰ってくるとは何事？」
「おうッ、ンだよ灯りも着けずに玄関に居るなよ、ビビったじゃねーか」
「それはそれは、申し訳ないです。
上機嫌な所悪いのですが、風呂を出たらすぐに寝室に来なさい、すぐに」
「え…………いや、なんで『すぐに』を二回言う」
「大事な事だから二回言いました。文句を言わずさっさと来なさいね」
◇ ◇ ◇
「う〜、良い湯だった〜。────ザビ子さーん、皆大好き頼れる銀さんが来ましたよーっと」
「うむ。まあアレだ銀時、立ち話もなんだから其処に座りなさい」
「へいへい…………なんで布団敷いてあんだか」
「今日天気が良かったからな、干した布団の匂いは良いものだ。
うむ、たとえ匂い正体がアレでも良き香りだとは思わないか」
「うん、それは分かるとして────なんで一式しかないの……」
「今日ここで寝る人間は一人だからだよ銀時。
────いや、今日だけじゃなく、ずっと一人で寝るんだ」
「え、え、ちょっと待てマジで意味分かんないんだけど……えぇぇ、なにこれ」
「わたくし、暫くお暇をいただきます」
「…………は？ え、暇って、え、ちょ、は？」
「銀時……さっき神楽がこんなモノを見つけたんだ」
「んをぉ？ ……ちょおっ！！？？ それ、俺のお宝…………ぁ」
「短い間でしたけどお世話になりました」
「ちょっと待ってザビ子ちゃァアァん！！ これがあっても俺の一番は君さっ☆」
「鬱胸しいっ、なにそのキャラうざったい。
アンタな、こんなエロ本を隠されて、その上見つけたら一番はお前だぁ言われても嬉しくもなんともねーンだよ」
「すみませんでしたァアァァアア！！ だからお願い俺を捨てないでェエェエエ！！」
「足に縋りつくな邪魔くせぇ。そのまま蹴り殺すぞ。
それと、なにやら面白い勘違いをしている様だから言っておく。
私はエロ本を隠していた事に怒ってるんじゃない、銀時だって健康な成人男性だもんな、エロ本の一冊や十八冊、AVの一本や七本は持っていて当然だ」
「ギャァアァァアア、なんで細かな数字まで知ってんのザビ子ちゃァん！？」
「私は別にエロ本如きじゃ腹立てやしない。ただな、この本の特集が許せないんだよ。
主演の女の子達────悉く『巨乳』なのは、なにか私と因果関係があるのかな〜……？」
「いやまさかそんなザビ子のその控え目な胸に不満なんてないですよ本当に俺はそんくらいの控え目なくらいの方が好きだし手に収まる程度が好ましいよなうん貧乳って可愛いぞていうかもうザビ子ならなんでもいいしそこに君がいるだけでパラダイスだよ☆」
「なんでいつにも増して饒舌になっているんだアンタ」
「そんな訳ないだろハハハ」
「つーか、アンタさりげに私の事馬鹿にしたよな？
だれが、貧乳だゴラァアァァアア！！！！」
「グブッ！！ ちょ、待てザビ子！ 今のは言葉の綾っつーか……」
「女の価値は胸じゃねェ！！！！」
「ダパンプ！！ 痛ッ、ちょ、タンマタンマ！ そんな執拗に殴られたら流石の俺も死────」
「────死ね」
「グオ、なんだこのコンボによるコンボ……なんだこのドラマティックバトル……！！
え、やだなにその右手に集まる闘気……あれ、これってそういうバトル漫画だったっけ……ってギャァアァァアアァアァァアア！！？？」
一生光なんか射さなくて良いと思った。
「……フッ、流石だなザビ子────その昔白夜叉と畏れられたこの俺をここまで追い詰めるとは……！！」
「女の価値は胸じゃない、胸なんて所詮脂肪なんだよ、そんなにデカオッパイが良いかァァァァ！！！！」
「いでっ、だから俺はザビ子の控え目バストが丁度良いって」
「死ね！！！！ そんな言葉貰って喜ぶ女がいると思うのか貴様はァ！！」
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