星屑の煌めき
(Fate/士郎)アナタだけを求めた
「さあ衛宮くん問題です。今日は何の日でしょーか」
「今日……旧暦の四月十日?」
「なんで旧暦の方言うの!? 今を生きろ今を!!」
「今を生きてるつもりだよ、俺」
「可愛いッ、じゃなくて太陽暦で、なう!」
「…………。……あ」
「分かった?」
「ザビ子の誕生日、かな?」
「いや最後の“かな?”は要らないかな?」
「そっか。今日お前誕生日なんだったっけ……あ……悪い、俺プレゼントなんも用意してないや」
「知ってるよ、そんくらい。衛宮くんはトーヘンボクさんだからねぇ〜、私の誕生日なんていちいち覚えてなんかないもんねぇ〜?」
「う……なんだか実に怨念の籠められた一言……その、ザビ子? あの……怒って……る?」
「別に、怒ってる訳ではない」
「うぅ、それ明らかに怒ってますよね?」
「怒ってなんかないって言ってるでしょ、もうしつこいな衛宮くん。別に怒ってないですよ」
「いやそれ明らかに怒ってますよザビ子さん。
……悪かったよ。誕生日、忘れててごめん」
「…………本気で謝ってる?」
「勿論、全身全霊で謝ってます」
「ふぅん……そう?」
「え、なにその邪な笑顔……怖い」
「じゃあ衛宮くん。今から私の言う事を、三つ叶えてくれる?」
「うぇ、そう来たか……まあ、限度があるけど、叶えられる範囲でならな」
「ホント? じゃあとりあえず一つ目、ケーキと美味しい料理を作って、二つ目、盛大に私の誕生日を祝って欲しいな」
「じゃあとりあえずからもうデカイんだけど、いやスケールは小さいけれどこれから準備するのはメンド────……」
「オーバー?」
「イエスオーバー!」
◇ ◇ ◇
「で。かくかくしかじかな事があった訳です。
────えー、本日は、私ことザビ子の誕生日なのですよ、皆さん!」
「ザビ子先輩、お誕生日おめでとうございますっ。あの、コレ誕生日プレゼントのアクセサリーです」
「わァ、ありがと桜ちゃん! これ私が前から欲しかったピンキーリングだ!」
「ザビ子、おめでと。とりあえずわたしからはコレね」
「え、遠坂さんこれ待ってアレこれ、どんだけ魔力籠めた宝石!?
こんな恐ろ……いや、高価なモノ貰えないよ!?」
「大丈夫よザビ子、それはアンタの魔力だから」
「いつ私の血液採りやがった、このあかいあくまぁ!?」
「ザビ子、おめでとう御座います。私からはコレを。
私が直々に、鍛練をつけて差し上げる事の出来る券です」
「有り難うセイバー…………でも私それ授けたら死んでしまう気がするよ?」
「大丈夫です、死なない程度に加減します」
「ノォォォォォ!!」
「なにやってんだザビ子………ほら、ケーキ焼けたぞ」
「わあい。さてケーキ食べようぜ皆」
「ザビ子、気付け。セイバーがもう既に料理を半分平らげてしまっている事に」
「ちょ、セイバー!? いつの間に!?」
あと一つ。
私とこれからの人生を供に過ごす覚悟はありますか?
衛宮くん。私の人生を貴方に委ねるので、貴方の人生を私に下さい。
答えは聞いてないけどね、キミに拒否権と回答権はないンだから!
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