星屑の煌めき




(銀魂/銀時)目から駒、瓢箪から鱗




「ようザビ子、元気してたか?」

「銀時!? うっわ、久し振りだな、もうかれこれ二ヶ月振りじゃないか」

「そーだな、ここんトコ俺も忙しかったし。あんまり顔出せなくて、悪いな」

「あっは。万年暇な万事屋の分際で、どの口下げて忙がしいって宣いやがるんだ?」

「……酷ェ言い草だなザビ子。こうして忙がしい合間をやりくりして顔出してやったってーのによ。
ホントは、なんだかんだ言いつつ寂しかったんじゃねーの?」

「まさか、寧ろ銀時がまたくっだんねェ事件に首突っ込んで死にそうになってんじゃないかと勘繰っていた所さね。
強いていうなら、今日は新八君と神楽はどーした?」

「子供らは留守番さしてる。アイツ等居っとうっせーだろォ?
こうして落ち着いてザビ子と話す事も出来やしねぇ」

「そうかぁ? 私は賑やかなの好きだぜ? あの子達に囲まれるとなんだか幸せな気持ちにならねェ?」

「なんねぇな、ザビ子お前感性可笑しーぞ……。幸せになる所か不幸せだわ。
アイツ等が居たってうるせぇだけだし、常に喧しいし、俺の発言にギャンギャン喚きやがるしで鬱胸しいったらねぇ」

「ククク、それにゃアちょいと共感してやる。
でもよ銀時────なんだかんだ言いつつ、そんな毎日日 常が楽しいんだろ……?」

「────まあ、な。アイツ等居ねぇと、町歩いててもなんっかつまンねぇんだよ。
俺もまた、めんどくせぇ荷物を背負ったモンだ」

「……荷物ってのは多ければ多い程、重く、護るのも困難になる。
護りきれなかった荷物は、するりと落ちてしまう。
荷物を失ってしまった代償は深く、人の内と外を傷つける」

「────……」

「なら、そんな荷物なぞハナから背負わなければ良い。
だが一度荷物を持ってしまうと、ソレがいかに大切で尊いモノなのか、ってしまう。
もう二度と背負わないと思っていても、いつの間にか背負ってしまっているものなんだな、荷物ってのは。
それを疎ましく思うか否か。そこは銀時の感性に任すぜ」

「────……」

「────────私達は、儚せだな銀時。
今がこんなにも、満たされているのだから。
だが、こんな儚せは長くは続かない。だから毎日の儚せを噛み締め、日常イ マを存分に謳歌しろよ。
散って行った仲間達あいつ等の分も生きる事が、残っちまった私達の精一杯の罪滅ぼしなんだからな」

「……分かってる。仇討ちなんてしたって誰も喜ばねー事ぐらい、俺も分かってらァ。
残っちまった俺らに出来る事は、毎日を必死こいて生きるコトだって…………あのヤローも理解してくれたらなぁ……」

「無理だよ銀時。高杉は手遅れだ、あの馬鹿は全部ブッ壊すまで止まらねぇ……止まり方を知らねーンだ、あの馬鹿は。
なあ銀時……アンタに言うのは筋違いってのは私だって理解してる。それでもそれを承知で頼む。
あの馬鹿────私達の、大切な仲間だった高杉を、止めてくれ……!!
私じゃ無理だった……力量は元よりアレには到底及ばない、けどそれでも止めようとしたんだ。
けど、もうあの馬鹿にゃ私の声なんぞ届きやしねぇ……。
頼む、“あの人”が生きた世界を壊そうとする馬鹿の、馬鹿な野望を打ち砕いてくれ……」

「────ばぁか。元より承知してらァ、大丈夫だって、あの馬鹿は俺が止めてやる。
あの厨二ヤローを止めてやんよ、お前の為にも、俺自身の為にも…………“あの人”の為にも、な」

「…………銀時。すまない、私がもう少し強かったらお前の剣になってやれたのに……この腕前じゃあ盾にもなれない。
頼むぜ銀時、あの馬鹿にゃ私は借りがあんだから、世界ブッ壊してチャラにしようなんてあの馬鹿をぶっ飛ばしてくれよ……」

「ザビ子、これ借りイチな…………利子つけて返せよ」



































































































[河童も木から墜ち、馬の耳には三年の石]
意味:意外性の高い事柄、予想もつかない結末の意。


高杉、お前はあの人を奪った世界が許せないと言った。だがあの人はそんな世界だから私達を救ってくれたんだ。
そんな当たり前の教えを、お前は忘れちまったのか……?
馬鹿な高杉……そんなお前を愛した私は、もっと愚かだ。














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あきゅろす。
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