星屑の煌めき




(銀魂/銀八)貴方に訪れる時間




「銀八先生、今お時間大丈夫ですか?」

「およ、ザビ子? なんだ改まって、別に時間は平気だけど」

「大切なお話があります……屋上で待ってます、放課後そこで」

「へ、おいちょっ…………えぇー?」





◇ ◇ ◇






「────先生、わざわざ御足労有り難う御座います」

「足労って距離でも、あるか。管理棟からこっちの校舎までは結構な距離あっし。
んで。神妙な面持ちでどーした、深刻な話でもあんけェ?」

「…………実は。私この度、家庭の事情で引越しを余儀なくされてしまい、今月いっぱいでこの学校を去らねばなりません……」

「────────ハ?」

「私はこの学校で短い高校生活を終えるつもりだったのですが、そうも行かず、中途半端な時期となりますが転校します」

「エイプリルフールは終わったぞザビ子〜」

「事実です先生、私だって認めたくはないですが……これが、現実です」

「へぇ……そーか、そいつァあのクラスも寂しくならァな」

「そうでしょうか。あのクラスは私一人がいなくなった所で、落ち込む様なクラスではありませんよ」

「おいおい、お前自分の事を軽んじるなよ? お前は3Zにとって何者にも変えがたく、何者にも変わる事はない、なくてはならない存在なんだぞ?
ウチのクラスから一人いなくなるって事は、自分の半身が欠ける事に等しいんだからなぁ?」

「そうですかねえ、先生がそう思われているだけで実態は違うのかもしれませんよ」

「お前とことんネガティブだな……もうちょい自分の存在とやらを認めてやれ」

「ネガティブ思考はもう治る事はありません、これが私の性格です。
────然し、先生や皆とお喋りする機会もあと数回だと思うと、寂しくなります」

「つーか引越しと転校はいつなんだ?」

「今週末です」

「今週末!? おまっ、後2日しか残ってねーじゃねぇかバカヤロー!!」

「そうですね、あと2日で私はこのかぶき町と銀魂高校を去ります」

「去ります、っじゃねぇだろ……お前よォ、転校に必要な手続きやらは済ませてんのか?」

「理事長にはお話してあります。そうかィ、とだけ仰って終りました」

「だけか……まあ婆さんらしいっちゃらしいな。取り敢えず手続きは済ませたのか。
あとは────クラスの連中に言うだけか」

「先生がなんとか言って誤魔化して下さい。出来れば当日に、やんわりと」

「クラスの連中には、言わねぇつもりか?」

「栓なき事です。本当は先生にも内密にしているつもりでした。
けれど、何か言わなければならない気がして……こうして屋上に呼び出した訳です」

「ザビ子、お前だけでも残る事は」

「出来ません。それが出来たら最初からそうしています。
これも不要な事ですが、あと2日で去ると言いましたが事実上この学校へ登校するのは今日が最後です」

「…………あ?」

「これが最後、だから最後に一つだけ言わせて下さい……。
銀八先生────────私は、貴方の事を一人の男性として、お慕い申しておりました」

「…………は?」

「────────では、失礼します」

「────ザビ子、待て!」

「…………なん、ですか先生」

「なんですか、じゃねぇ!! 手前勝手に言いやがって……言いたい事だけ言ったら逃げるつもりか、お前は」

「離して下さい。パワハラで訴えますよ」

「離すかよ、離したらお前は逃げちまうだろ? お前は俺の気持ちも無視してテメーだけの気持ちを吐漏したらそれでオシマイか。
んなガキ臭ェ事はもう止めようや、そろそろ大人になれ」

「っ……その言葉、そっくりそのまま左中間を抜けて差し上げますよ!!」

「ザビ子。お前、俺の返事聞きたくねぇ?」

「────聞きたく、ないです……!! 離して、下さい!!」

「俺の声を聞け。ザビ子、俺もお前が好きだ────生徒として見た事なんて、一度たりともねぇよ」

「────────っこの、変態教師……!!」

「るせぇ、こんな俺が好きな癖に」

「っ…………死、ねェェェェ!!!!」

「あだ!? おま、あにも顎殴る事ないんじゃないの!? 人体急所よそこ!?」

「…………っどうしてくれるんですか、私、転校したくなくなったじゃないですか。
責任取って下さいよ……両親の説得諸々、先生だけで話し合いして下さいね」

「え、やだなにその拷問、俺一人でお前の親に会って話つける訳か、え、キツイぞソレ!!」








































私に訪れた時間は、貴方と過ごす儚せ。

「とりあえず、妙と神楽に先生と同棲するって伝えてきます」
「待ってザビ子ちゃん、その二人には一番言っちゃいけないから!!」













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