星屑の煌めき




(サモナイ/ディラン)抑止力の存在




「おや。まだ起きてたのか、ディラン」

「ザビ子。君こそ、まだ起きていたのか」

「なんだか眠れなくてね。なにせ今日だけで色んな事があった」

「そうだな。あんな切迫詰まったファングは初めて見たな」

「ああ、いつも瓢々としてる癖に、実は激情家だとは…………復讐心とは、まこと面白きモノよな……。
まあ、ファングの意外な一面が見れたから私は善哉といった感じだ」

「君の事だ、どうせファングの弱味を握ったとでも思っているんだろう?」

「おや、バレたか?」

「バレバレだよ、ザビ子は隠し事がヘタクソだな。ポーカーフェイス気取りは止めた方がいいぞ」

「ディランは手厳しいな、ファラならもう少し優しく言ってくれるのに」

「俺はファラの様には言わないさ、だってそれじゃザビ子の為にならないだろう」

「おや。それじゃあディランは私の事を想ってそう言ってくれるのか?」

「そ、そういう意味じゃなくてだ……!!」

「あはは、冗談だ。本当に君は見ていて飽きない。
私をここまで楽しませてくれるのは、君達以外にそう居ないぞ」

「…………それは、喜んでいいのか悪いのか判断に困るな」

「喜べディラン。私は君達を認めたという事だぞ?
もっと誇るが良い、この私がヒトを認めるなど有り得ない事だから。信じられぬというなら今のは私の蒙眛に過ぎぬと思ってくれて構わん」

「…………時々だが、ザビ子と喋っているとなんだか神様と対峙している気分になるよ…。
そういえば、俺はあまりザビ子の事を知らないな。ザビ子って生まれはドコなんだ?」

「────────」

「王国の事も詳しいし、帝国の事にも精通しているし……旅語りのアーティーとも顔見知りみたいだし。
以前初めて会った時は吟遊詩人だと言っていたが……」

「私はしがない旅語りさ、今も昔も変わらない…………変わる事のない一つの概念、ソレが私、“ザビ子”という存在だ」

「? 良く分からないが……とりあえず…………ザビ子はザビ子だって事だよな?」

「ああ。私は“ザビ子”だ。紛れもない本人さ。君は私がザビ子以外の誰に見える?」

「いや、普通にザビ子にしか見えないが……時々そう感じるんだ、気の所為だと思うんだが。
すまない、気分を悪くさせてしまったか」

「悪くする気分など持ち合わせていない、君が気負うコトなどない。
安心するがいいディラン、君のソレは杞憂だ」

「そうか。ならいいんだ」

「嗚呼、もうこんな時間か────君ももう眠るといい、明日辛いのは自分だぞ。
じゃあ私はそろそろ眠る、お休みディラン皇子……」

「ああ────お休みザビ子」












































其、名を終焉の女神。全ての起源、総ての根源たる女神。

『私を神様と言ったなディラン……フン、近からずも遠からずだ。
私は始まりにして終わりの神、創世の女神ザビ子。この時空世界そのものを創りあげた女神。
言うなれば三女神、始まりの女神ミュリエルやアーティー、ハインラインは私の可愛い子供達にあたる。
だから。君達がもし負ける様な事があれば、私は躊躇無くこの世界を壊す。
それぐらい、君を気に入ったって事さディラン』
















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あきゅろす。
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