星屑の煌めき




(Fate/士郎)処方薬は要らないよ




「アァァアアアァァァァアアァァ────…………つっかれた……!!」

「お帰りザビ子、お疲れ様。大丈夫か、なんだか死相が出てるぞ」

「ただいまぁ士郎、とりあえずお茶か紅茶一杯淹れてー」

「はいよ。てか本気で大丈夫かよお前、こんなにクタクタになるほど、今の仕事キツいのか?」

「ん〜? ありゃほぼ力仕事だよ、人間関係もしーっかり築かなきゃいけないしィ、上の人に諂う訳だしィ、かと言って横の人間とも繋がらなきゃだしー、もう色々めんどいわーハゲそうちかれたー」

「そうか…………その、なんか悪いな」

「? なんで士郎が謝るのさ、別になにもしてないしょ、浮気とか不倫とか浮気とか」

「そんなのするか。じゃなくて、俺が言いたいのは…………本来なら男の俺が稼ぎに出るべきだと思うんだ。
それなのに女の子であるザビ子に働かせてるなんて、立つ瀬ない」

「いーの。これは私が好きでやってる事なんだからさ!
それに士郎はこの間日本に帰ってきたばっかでしょ、ゆっくり休んで時差ボケ治す事。
今の士郎は家の事に専念していて下さいな、いよっ主夫の鑑ィ〜!」

「何が主夫の鑑だ、まだ全然元気有り余ってんじゃねーか! ほら、紅茶」

「ワーイ、有り難う士郎〜目指せ家政夫。ふむふむ……この匂い、今日はダージリンか。むむむ……然もこの色、この薫りから察するにパックじゃない……だと!?
わざわざ茶葉とティーポットで淹れた感じですねコレ、この風味はパックやインスタントじゃ出せない……!!」

「相変わらず鼻だけは良いなお前。でもそれ正解。カップもポットも茶葉も全部向こうで買った物を使ってますよ。
三段トレイも買おうと思ったんだが、思いの外かさばるから止めた。
然も、紅茶はこの一年半毎日淹れてたからな、本場仕込みだぜ?」

「お前向こう一年半も行ってて学んだのは紅茶の淹れ方だけかよ、どや顔が悲しいよ」

「ば、んな訳ないだろ! ちゃんと遠坂の補佐とかしたぞ俺!」

「補佐ってかいて雑用と読む感じですかねぇ。ん〜、癒されるぅ……おいし」

「そういえばザビ子、腹減ってないか? 食欲がないんなら軽いモノでも作るが」

「お腹はあんま空いてないけど、士郎のご飯が食べたいから食べる!
白米と玉子焼きと味噌汁と、んーうー、まあ後は衛宮シェフのチョイスにお任せするっ!」

「了解、じゃあちゃちゃっと作りますか」

「あ、待って士郎」

「? どうかしたかザビ子?」

「────お帰りなさい、士郎。
これを、ずっと言いたかった……帰ってきてくれて、ありがとう」

「…………ただいまザビ子。
────────ずっと待っててくれて、さんきゅ」




































「私は一家団欒派ですね!」

「……まあ、まだ恋人以上家族未満な訳ですが……」
「? なんか言ったかザビ子?」
「玉子焼きは甘くしてねって言っただけよ」















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あきゅろす。
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