星屑の煌めき
(Fate/士郎)麻酔の匂い、街灯り
「────────士郎。起きて、る?」
「ザビ子、か? どうしたこんな遅くに…」
「あの……部屋、入ってもよろしいでしょうか……」
「えっ……ぁ、ああ……別に構わないが」
「失礼します。……寝て、たよね。ごめんね、こんな夜更けに」
「別に大丈夫だが……それよりザビ子、どうした?
こんな夜更けに…………なにかあったのか?」
「う〜ん…………微妙に」
「そうか、それが原因で俺のトコに来たのか?」
「……ん」
「…………? ザビ子? いつもの元気はどうしたんだよ。
…………まさか寝惚けて俺の部屋に来たのか、お前」
「ちゃんと起きてるよ…………その、笑わないって約束してくれる?」
「む…………まあ、とりあえずは善処する」
「あのね…………こ、怖い夢を視て……」
「ぶふっ」
「…………笑わないって言ったじゃんんん」
「うわ、悪い……謝るから泣くな」
「いや、泣いてない。士郎の馬鹿め〜」
「それでも笑って悪かった。お詫びと言っちゃなんだがお前の我が侭聞いてやる、これで許してくれないか?」
「…………ホント?」
「ああ、男に二言は無い」
「じゃあ…………その、今日……一緒に寝てくれない?」
「────……!? ザビ子、悪いソレはちょっと……精神的にキツいモノが」
「────────ダメ?」
「っ…………なにが起こっても、責任は持たんからな」
「ありがと…………じゃあ、ちょっと失礼して」
「え……ちょ、一緒にって同じ布団か!? 待てザビ子、ソレだと流石に本気でまずいからそれじゃなくて隣にもう一式布団敷けば良いだろ!」
「だって、お布団出してたら騒がしくて皆起きちゃうよ……それに今更お布団を敷くのもアレじゃない?」
「……ザビ子、頼むから男の事情と言う名の歯止めを察してくれ。
理性は時に脆く崩れ去ってしまうもんでな、抑えるのは難しい時がだな……」
「…………別に、士郎がそうしたいなら良いよ。
士郎なら、私別に嫌じゃないし……士郎がそう望むなら……構わないよ」
「……ザビ子…………分かった。一緒の布団で寝ようか? ほら、こっちおいで」
「お邪魔します…………士郎のお布団、あったかい、士郎の匂いがする……」
「そりゃ俺が使ってるからな。俺の匂いが移る、ってそれは偏に俺の体臭がやばいって事か?」
「違くて……個人的に凄く落ち着く……ん、あったかぁい……」
「そうか。それで、大分落ち着いたかな?」
「うん…………ありがと、ごめんなさい」
「良いよ、謝らなくて。ザビ子は悪い事してないだろ……俺で良ければいつでも頼れ」
「うへへ…………士郎かーっこい〜……」
「なんだ、今頃気付いたのかザビ子?」
「ばか、もうずっと前から私は君の事好きだったんだから……士郎のかっこいいトコ、再確認したの。
…………士郎のなにげない気遣いとか……そんな優しさが、君のそういう所が、どうしようもナいくらい好キ……。
好き────大好きダよ士郎、狂おシい程に愛してル、好き過ぎてドウにかなってしマいそう」
「もう良い、もう良いよザビ子…………もう、眠れ……」
「ん………おヤすみ、しろゥ……」
「ああ。お休み、ザビ子…………今度は良い夢が見れるといいな……」
「大……丈夫。士郎に抱かれて……眠るんだもん、視れる、よね……?」
君を苦しめるだけの愛なら要らない。
君を苦しめるだけの私なんて要らない。
「ザビ子…俺はお前だけの正義の味方になる、ザビ子だけの俺になってやる……だからそんなに自分を責めないでくれ……」
────────士郎。君を愛してごめん、ね……。
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