星屑の煌めき
(銀魂/銀八)君が嫌いな君が好き
「ああああああああぁぁぁぁ!! なんっか無性にイラつくーーーー!!」
「うっせーなぁ、なんだおめーアレか月に一度のブルーディですかコノヤロー」
「んな訳……って、セクハラで訴えますよそして高額で勝ちますよ銀八先生!!」
「まあまあ、俺とお前の仲じゃないか。少し位のセクハラ・パワハラは無問題?」
「モーマンタイ、て、殺すぞ銀八ゴラァ!!」
「あだだだだ、髪の毛引っ張んないで髪の毛引っ張んないで、抜けるから毛根からごっそり実家に帰省ラッシュ!!」
「っ…………はぁ……全く、なんでアンタはそうやって……」
「なんか頭皮がジンジンしてマジ痛ェ……おま、これで銀さん禿げたらおめーに責任取って貰うかんなチクショー」
「……私がこうやって悩んでる時に構うんですか、アンタは」
「あン? なんか言ったザビ子」
「なにも言ってねェですよ。先生、煙草臭いからもちっと離れて下さい、もしくは消えて下さい」
「後者は喧嘩売ってんのか」
「物理的に消えて下さいよ」
「屋上に不法侵入した生徒は放っておけませーん、学校側としては自殺なんてされたらアレなんでーす」
「飛び降り自殺はしないです、ぐちゃぐちゃで原形留めてないじゃないですか。ミンチですよ、挽き肉ですよ、嫌ですよ棺桶に入れる時苦労するじゃないですか」
「うん、事細かな説明どうもありがとう、誰がそこまで説明しろっつった? もう俺当分メシ食えねぇわ。
どうしてくれんだコノヤロー、責任取れ」
「────死にたくないけど。決して生きていたい訳でもないんです。
いつか人間ってのは、天寿全うして臨終する時が来る……けどソレはいつ?
明日、明後日、今日、今?
不確かな境界に立つ人間は、同じくらい不確かな人生なんだ」
「────……」
「生きている証明が欲しくて、死にたがりを気取る私は、それと同じくらい生きていたいと体言する愚かな道化だ……『死ぬのは怖い、けど生きていくのも怖い』と叫ぶだけ」
「────……」
「有終の美を飾るには自殺じゃ意味がない。
それは双方が望んだ他殺でなければ意味がない」
「ザビ子。発言が果てしなく厨二っぽいな」
「マジすか。まあ好きな人に近付けるから厨二病上等ですが」
「とりあえず。日本語でおーけぃ?」
「要するに、死にたくないけど生きていたくもないってだけです。
こんなにも自分で自分の存在を否定しているのに、未だに踏ん切りのつかない自分が嫌いで、刻一刻と無駄な時間を重ねていってる自分に絶望してるんです」
「そーかぃ」
「あれ。先生、生徒が自殺希望者なのに止めないの?」
「止めやしねーさ。それはお前が決めて、お前が進む未来だからな。死にてぇと思うだけなら好きにさせる。
ただ────ソレを心の底から望むってなら、口出しさせてもらう」
「…………」
「ただ毎日を怠慢に生きて、ただ流れ行く時間に身を委ね、ただ毎日を怠惰に暮らすなら喝を入れるが…………おめーはそうじゃねぇだろ。
ただ生きているのがツマラナイから、刺激を求めて死に寄り添っているだけだろ」
「…………凄いね、先生……」
「俺だって伊達に先生やってねーよ。生徒の、況してやお前さんの考えてる事なんざ御見通しよ」
「……あり、がとう…………私、他人に改まって説教されたの、初めて。
今までは自分の価値観だけを擦りつけてくる他人ばっかでさ。
こんな風に私の考えを把握して許容して肯定してくれたの人がいるなんて、夢にも思わなかったよ」
「生徒を第一に考えるのが銀八先生の良いトコだろー?」
「────それさえ無ければ良い先生なのにぃ……」
君と離れていても、君の事ばかり考えるよ。
「お前がお前の事を好きになる為には、まず人から愛されなければなんねぇ。
それはもうクリアしてっから、次に誰かを愛してみろ。例えば身近にいる俺とかどうよ」
「三千世界の鴉になりたいですか。冗談でもそんな事言わないで下さい」
「アデ! ってぇなもちっと加減をしろォ……大体、結構本気だぜぇ」
「っ…………くたばって下さい!!」
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