星屑の煌めき




(無双/二兵衛)天才的君主論




「起きよ、半兵衛はんべえ、ザビ子。じきに戦が始まる」

「も〜、なんで昼寝の邪魔するかな〜。人が折角良い昼寝場所見つけて寝てたのに……ねえザビ子?」

「返事がない、ただの屍のようだ」

「あはは、ザビ子ソレサイッコ〜! ていうかそれ返事してるよ」

「いや、官兵衛かんべえ殿なら私のこの気持ちを汲んでくれると信じている」

「下らぬ。けいらの心情など察するに至らない、労力すら惜しい」

「やはり官兵衛殿は非道だな。因みに半兵衛殿は私の気持ちを汲んでくれるか?」

「え、俺? んー……俺も官兵衛殿に同感かな〜。ザビ子の気持ちを汲むのは骨が砕けるじゃん、そんなモノ面倒臭いし。
そんな暇あるなら昼寝の時間にあてたい」

「半兵衛殿も非道な奴、薄情者らめ。織田に私の心意気を汲んでくれる奴は居らんのか」

「織田どころかどこの勢力探しても居ないと思うけどな。ま、俺的にはザビ子の見解は面白いから見ていて飽きないよ」

「……ぬしは意外と黒いのだな、半兵衛殿。だかまあ、私の見解を認めてくれているのは、ありがたい」

「何時までそうしているつもりだ、卿らの下らぬ話に裂く刻はないと言った筈だが、それが理解出来ない筈はなかろう」

「半兵衛殿は話の解る奴なのに、官兵衛殿はお堅い奴だな。
もう少し肩の力抜かねばいつか自滅する事になるぞ、官兵衛殿?」

「そうなれば、私もそこまでの下らぬ存在というだけの事だ。要らぬ気苦労をするな」

「一刀両断か、相も変わらずノリが悪いな。
まあ良い。そんな面白味がない所が主の面白き所よ、それをどう取るかは受け手次第という話。
真面目に仕事する参謀と、手を抜く参謀。
二つ有るからより面白いのやも知れんな」

「そこにザビ子という火種も加わって、大炎上ってね」

「時に半兵衛殿、主は私の事が嫌いであろう」

「可もなく不可もないかな、どちらかと言えば」

「悲しい返答を有り難う、こたびの戦、誤って主を斬り付けたらすまん」

「えー、じゃあ俺アンタから一番遠いトコに拠点構えよ」

「どうでも良いのだが、早急に持ち場に着け。
布陣は既に敷いたのだ。卿自ら、ご自慢の軍略を狂わすのなら止めないが……」

「俺天才だから少しの計算が狂っても直ぐに持ち直してやるよ。
皆が笑って寝て暮らせる世の為だし、ちょっとの労働で多大なる功績が俺の考えだしね」

「ふむ────歴史上、その手の人間は長生きしていないぞ半兵衛殿」










































君主そっちのけでちゃっちい口論。

「あ、やっば……ちょっと俺マズイ、かも。誰か〜手伝ってー」
「嗚呼ほら、言わんこっちゃない……今私が助けに向かう、それまで持ち堪えろ」
「秀吉様の近衛兵である卿が持ち場を離れる事は許されぬぞ」
「半兵衛殿助けたらちゃっちゃと帰ってくるさ、疾風迅雷って奴だ」
















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あきゅろす。
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