星屑の煌めき
(Fate/士郎)大好きでした、この空間が
「♪今別れのォ時ィー、飛びたとぉ〜未来信じてぇ」
「…………今の、なんの呪文なワケ」
「いやだなぁ凛、歌を歌っていたんだけど」
「はいはい……晴れの卒業式だってのに、気分を落ち込まさせないで頂戴」
「あ、士郎ーー!」
「無視か!」
「ようザビ子、遠坂も一緒か」
「士郎、卒業おめでとー! 良かったねぇ時期はどーなる事かと思ったけど、無事に卒業できて良かったね」
「去年の一月の上旬から二月中旬にかけて命をかけた戦いをしていたからな……寧ろ今ある生を力一杯歓喜するぞ」
「良かった良かった、二つの意味で。でも士郎卒業したらイギリス行っちゃうんでしょ?
こっちはだいぶ寂しくなるなぁ……喧嘩友達の慎二は死んじゃったしな」
「軽っ、お前人の命をなんだと」
「だって慎二だし、いいじゃない?」
「遠坂さん果てしなくブラックです」
「だって凛だもん!」
「衛宮先輩────!」
「────桜」
「……ぁ……遠坂、先輩にザビ子先輩もいらしたんですか」
「桜ちゃん、弓道部全国大会優勝おめでとー! 美綴が誇らしげに熱く語ってくれさ、なんか私まで嬉しくなっちゃった」
「あ、ありがとう御座いますザビ子先輩……っ!!
これからも、日々精進を重ねて、この結果に慢心する事なく努めて参りたいと思います!」
「うん、その意気だ桜。その調子で美綴より強くなって見返してやれ」
「はい────先輩方もこの度はおめでとう御座います。
ご卒業、おめでとう御座います。遠坂先輩、ザビ子先輩、衛宮先輩」
「ありがとう。桜もこれから頑張りなさい、弓道は一日にしてならずよ?」
「はい。遠坂先輩も留学先で体調を崩す事のないように、ちゃんと栄養のあるものを食べて下さいね!」
「いやァ、桜ちゃんこれがまた大変なんだよこれが。
凛の留学先はあのイギリスだよ?
ご飯は不味いし、国民全員とは言い切れないけど、味音痴だし雨ばっかだし湿気は凄いし幽霊に人民権はあるわ時計塔は牢獄だったわで超変な国。
体調崩すなっつーのは、ちょいと無理な相談ーって感じぃ?」
「いやあのザビ子さん? あの、そんな国に俺これから行くんですよ。
あとそれお前による偏見甚だしい見解だぞ」
「士郎、料理の腕鈍らせないでね、凛も!」
「寂しくなるわねザビ子、当分貴女のその突拍子もない阿呆な言動が見れなくなるなんて……寂しいわ」
「うほ、褒めてる様で褒めてないぜ凛ダブリューダブリュー」
「まあ旅立つのはまだ当分先だし、精々恋人達はお互いの愛を噛み締め合いなさいな。行きましょう桜」
「それじゃ失礼しますね、衛宮先輩ザビ子先輩」
「おう。遠坂も桜もまた後でな」
「…………り、凛のばかぁ……! 変な気ぃ回すなぁ…あわよくば二人きりになれたら良いなぁ〜とは思ったけど……!」
「なに一人でぶつくさ言ってんだ?」
「なんも!? 士郎の勘違いじゃないの!?」
「そうか? ならいいが」
「それより。士郎達はいつ頃日本を発つ予定なの?」
「んー、多分今月の下旬ぐらいかなぁ……遠坂の気分次第かな正直なトコはなんとも」
「そっか……じゃあ、それまで二人でいっぱい出掛けよ。
準備が忙しいなら一緒に、傍に居てくれるだけで良いから……たっくさん、思い出作ろ」
「────ああ。そうだな」
「だから…………待ってて。すぐに追い掛ける……すぐ追い掛けて追いついて、追い抜いてやるんだから」
「ああ、待ってる。退屈しない程度に待っててやる、だからすぐに追いつけよ、ザビ子。
お前が追いつくまで待っててやる。だから早く俺んとこに来いよ」
「ん。士郎、浮気なんかしたらブッ殺すからね」
「しないさ。俺にはザビ子しか見えないからな」
「怪しーい、そういう奴に限ってちょっと可愛い子とすぐ好い仲になったりするんだよ〜」
「大丈夫だって。俺を信じろよ」
「信じられないから釘刺してる訳で」
「うぐ……そんなに信用ないか、俺?」
「だって……すぐ傍に凛がいるから、心配」
「遠坂? なんで遠坂がいるから心配なんだ?
寧ろアイツの場合は俺を監視してそーだけどなぁ」
「…………この、とーへんぼく!!」
「え゙え゙え゙え゙、なんでさ!?」
「悔いのないように前に進んで、時々後ろを見て踏み違えてないか確認して、正しいなら再び歩き、間違ったら踏み止まって路を見極めて下さい」
今は離れ離れになっても、今生の別れなんかじゃないって信じてる。
また、すぐに逢える。
だって私達は、心が繋がっているでしょう?
だから。悲しいのは今だけ。また逢おう。
それまでの暫しの別れ。また明日ね!
◆ ◆ ◆
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