星屑の煌めき
(銀魂/銀八)さようなら、私の大切なモノ
「うじゅぅぅ……ぐびぃぃっ……ぶひっ!」
「ザビ子ちゃん、いい加減泣き止みなさい。いつまでも隣で泣かれたらうざくてしょうがないわ」
「いうぅぅ……っら、だっぺ……み、離れ……ぅぐぃ」
「姉御、ザビ子は熱血家ネ。泣き止む難しいアル」
「まさかここまで泣くとは思いもしませんでした、ザビ子さんて結構涙脆いんですね」
「ばっへぇぇぇ……っ、あ、銀八があんな良、い事言うど……思わながっだじぃぃ……うわァァアァん!」
「よしよし、心行くままに泣くヨロシザビ子。今日はもう泣いてもいいネ、だって最後だから」
「最後とかゆーなァァァァ!! 神楽ぁぁぁぁ一年間ありがとぉぉぉぉぉぉ大好きだばかぁぁぁぁ」
「私的にはよくもまあ卒業出来たわね、という言葉を贈るわ。
単位ギリギリだった癖に。課題を溜め込んで私に泣き付いて助けてって言ってた貴女が……良くぞ卒業出来たわねぇ」
「姉上、それはいくらなんでも言い過ぎですよ」
「じ、新゙八゙ぃ゙い゙……ぎみの的確なツッコミは決して忘れる事はないよ……!」
「そんな微妙なポイントを記憶されても困ります、嬉しいようで仄苦い思い出ですよ」
「ひっぎ……だ、妙ぇ……私、実は妙みたいになりだがっだんだよぉ〜……!!
美、人で……強くて……強かで…可愛いぐで、そんなだえにあごがれでだんだぁぁぁ……!」
「そう、ありがとうザビ子ちゃん……だけど所々何言ってるかさっぱり分からないわ。
とりあえず、さっさと泣き止めっつってんだろ」
「おぃーっす。なにしてんだおめーら。基本卒業生はさっさとけぇーれ」
「ヤです、まだ伝説の桜の木の下で告白タイムを設けて無いアル!!
きっと在校生の中でシャイなあんちきしょーな男共がこの可憐で可愛い神楽ちゃんへの告白を出来ずにウジウジ悩んでるアル。
それを一挙に解決してやるのが私の伝説の桜の木之下作戦アル!」
「いねぇよンな危篤な在校生、卒業生にもいねぇよ。
あれあれあれぇ。ザビ子、なにお前マジ泣きしてんの?」
「ぞんなんっじゃ、ないです……ごれは花粉が過、度に鼻孔を刺激、しでるらけでふ!
別っ、に先生の祝辞の言、葉に感動したとか、そんっな訳ないじゃないですかぁ……!」
「卒業生代表の言葉ン時はしゃーしゃーとしてた癖に……祝辞の言葉に涙するたァ、中々どーして可愛い奴め」
「臓物ぶち撒けて惨たらしく死ね銀八」
「なんでそこはつっかえずに言えんだよ」
「ふふ……新ちゃん、神楽ちゃん、私達は少し席を外しましょうか」
「はぁい。私まだ机に文字を刻んでないヨー。後世にまで私の存在を強くたらしめとくチャンス、これ逃す馬鹿のやる事アル」
「え、ちょっとなんですか姉上! 別に首根っこ掴まなくても僕普通に歩けますってば!!
首、首締まってます……息が出来ないッス姉上!!」
「────────改めて……ザビ子。卒業、オメデトウ」
「…………ぅ゙」
「おいお〜い、いつもの威勢はどこ吹く風ですか〜?
そんなしおらしーいザビ子はお前らしからぬ態度ですよ〜ぉ?」
「うるせぇですよ銀八先生、アンタの目に映る私はどんな私なんですか!」
「それでこそザビ子だ、その調子で突っかかって来ーい」
「…………先生ぇ」
「ん?」
「…………この一年、お世話になりました」
「……おぉ。俺的にはお前よく卒業出来たよなぁって感じだけどな。
12月に課題終わってねーって言われた時ゃ流石の俺もヒヤリとしたわ」
「それに関しちゃアンタが悪いだろ!!
お前が10月末に『まだ終わってなかったんだよねぇいやァあっはっは〜』なーんて悠長に言ったからろ。
ザビ子ちゃんは悪くないもんね、銀八が全ての諸悪の根源だっつーの!!」
「いやァそれは記憶違いかなァ。つーかおめーよォ担任の先生に向かって“お前”呼びすなや」
「馬鹿ですか、私はもう銀魂高校を卒業したんですよ。
それならもう私達は先生と生徒じゃなくなった訳でーす、だから別に敬語とか使わんでも宜しいんです。
そもそもアンタに敬語使うの無理があるというか」
「関係あらァな、卒業してもお前は俺の生徒である事に違いはねーのっ!
卒業した所でこの関係が崩れる事ァねーよ」
「あぁ、そう。……そう、ですね……先生はいつまででも私の先生なんですよね。
先生、祝辞の言葉感動しました。私はあの言葉を胸に頑張っていきます」
「そうかぃ、アレは俺の恩師の受け売りだけどなぁ。イイ台詞だろぉ?」
「はい、とても。まあ先生のオリジナルではないと確実に解ってましたけどねっ☆」
「おめ、最後の最後まで可愛げのねー奴だな!!」
「生まれてくる時は自分は泣いて周りが笑っているのだから、死ぬ時は自分は笑って周りが泣ける終わりにしたい」
ありがとう、先生方。
ありがとう、友人達。
私の人生に煌めく日々、錆びる事ない日々。
色褪せる事のない、思い出の数々。
貴方の教えを、私は忘れません。
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