星屑の煌めき
(銀魂/万事屋)侵蝕し壊しています
「いッたァ……」
「あれ? ザビ子、どうしたアルカ?」
「神楽ちゃんか…………いや、なんか歯が痛い……」
「虫歯アルカ? 虫歯は早く治さないと手遅れになるネ!」
「けど……私、歯医者だけはどーにも嫌なんだよねぇ……」
「そんなん言ってるからアンタそんな虫歯が悪化するんだよ、まったく、早く歯医者行きなさい!
歯医者さん予約してあげるからさっさと行って来る、ホントにアンタはもうだらしないんだからアンタって子はもぉ〜!!」
「え、お母さん!?」
◇ ◇ ◇
「あン? ザビ子が居ねぇけどどったよ」
「ザビ子なら歯医者に行ったアル」
「歯医者だぁ? んだアイツ、虫歯になってたんか」
「どっかの天パと違って渋々ながらも素直に歯医者に向かっていったアル」
「うっせ。つか渋々ならどっこいどっこいだろ、歯医者ってのは幾つになっても怖ーんだよ。お、チョコまん発見」
「あぁ、それザビ子のネ。勝手に食べたら殺されるヨ銀ちゃん〜」
「大丈夫だーって。アイツなんだかんだ言ったって俺に惚れてるから殺しゃしねーよ」
「────────────────銀時」
「はーん? ぶべらっ!!」
「貴方が今食べたチョコまん、確か私のだった憶えがあるんだが・・・・・・」
「ぃ、いやぁおかえりザビ子ちゃ〜ん……いやね、これはアレだよ」
「おかえりザビ子! ちゃっと聞いてヨ、私止めたのに銀ちゃんたらザビ子のチョコまん勝手に食べたアル」
「ほう……? さて銀時。神楽はああ証言しているが、なにか弁明があるかな」
「えーと……し、しいて言うなら神楽、ザビ子の歯医者ってどこ予約したのかなぁって?」
「それなら南無歯科にしといた。あそこは安いし一回行けばすぐ治るで有名アルからな。
銀ちゃんだってその歯医者に行ったじゃん」
「南無歯科!? 馬っ鹿おめーあの歯医者はヤブのうえに改造手術させられんだぞ!?
んなおっかねー場所にザビ子を放り込んだんだぞおめー!」
「改造手術? カッケーじゃん」
「格好好い好くないの話じゃねーんだよことは!」
「つーかザビ子、どこも改造された形跡ないアル。いつもと同じアル」
「銀時。はいこれ。治療明細書、領収書も貰った」
「…………あ、やべ俺死ぬかも」
「? どれどれ〜。
えーっと────“当院が独自に開発を進めていた改造手術を快い二つ返事にて承諾。肉体的改造ではなく内面的改造を施させて頂いた結果見事に成功。今回改造手術を施した結果人の心を理解する事を不要となり、痛みを軽減させて頂きました”」
「つまり。完結に言うと人たらんとする感情・痛覚・感傷等を一切排除した、という訳だ。
分かり易く言うなら────今の私は人を殺すのに一片の躊躇いもない、という事だよ銀時」
「銀ちゃん、さよ〜なら〜!」
「煽るんじゃねぇ神楽! ちょ、待てザビ子……あいや待って下さいザビ子様? ちょっと一回冷静になろう、一回頭を冷やそう?
つかなんで人たらん感情がない癖にチョコまん一個にこんな異様なまでの執着を……あ、嘘やだなにその右手に握る真剣は。
え、ちょ、ま────────ギィヤァアァァアァァァアアア!!!!」
虫歯って嫌だよね、なにが嫌って歯医者さんが嫌すぎる、辛い。
「というのは冗談。銀さん、これに懲りたら私に隠れて私のモノを食べないことねぇ」
「無理ヨザビ子〜、銀ちゃんノビてるネ、聞こえてないヨ!」
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