星屑の煌めき
(銀魂/銀時)ヤンデレ取り扱い説明書
「おかえりぃ、銀さん」
「おうただいま、留守番ご苦労だったなザビ子」
「お、子供扱いかね。銀さんがすると笑えないな」
「ちょ、待てザビ子、それはどういう意味でだコノヤロー」
「……」
「止めてぇぇぇその生優しい眼差しぃぃぃ!!」
「まあ冗談はさておき。神楽ちゃんと新八くんは?」
「神楽は今日新八ん家にお泊まりだそーだ。う〜さみさみ……」
「へーえ。じゃあ今晩万事屋にわたしと銀さんしかいないんだ」
「おう。だから、今夜は子供達に邪魔される事なく愛し合えるぜぇ?」
「アッハ。その台詞のし紙に包んで丁重にお返し致しますよっ☆」
「モルゲンッ!?」
「ほらほら、わたしの黄金の右ストレートが炸裂する前に夕飯の支度しとけ?」
「……もうしてたぞ、黄金の右ストレートが鳩尾にクリティカルヒットしたぞ」
「今日の当番は銀さんだよ」
「少しも悪びれもしないどころか飯の催促をするか、流石だなザビ子……お前には人並みの優しさとか無い」
「────あれ」
「まあ良いけどよぉ、もう慣れたし。……いやな慣れだな」
「…………」
「さぁってと。冷蔵庫に豆腐と葱と鰹節があったから夕飯は湯豆腐な、因みに反対意見は認めねぇぞ。作ってやるだけ感謝しやがれ」
「銀さん」
「? どしたザビ子」
「それ。なに」
「それ……って、あれ」
「そのベタァに肩口に着いてる口紅は、なに」
「いつの間にこんなモン……」
「銀さん。ちょっと」
「? およ!? な、なしたザビ子、急に抱きついたりして、アレかアレなのか!?」
「…………匂う」
「へ…に、匂うって、なにが?」
「…………女物の香水の匂い、化粧の匂い、女の香り」
「お前の鼻は犬並だな」
「伊達に番狗してませんよ、銀さん……主人を守護するのが天狼の役目。
主に害をなす者を排除するのが、狗の務めです。
鼻が良いのは当たり前です。それを覚悟で貴方はわたしを雇ったのでしょう?」
「止めて、敬語で話すの止めて。ものごっつ怖いから普段の五割増しで怖いから」
「さあ、このわたしに命請する準備は出来ていますか?」
「ザビ子、待て、誤解だ誤解。別に浮気なんてしてないぞ、銀さんの身は潔白だぞ」
「左様ですか。なればコレの説明は勿論できますよね?
それとも、やはり後ろ暗い気持ちがあるから喋れないのでしょうか?」
「無いって、無いけどお前なんかスッゲー冷静さを失ってるからなに言っても聞く耳持たなさそうだし」
「銀さん。そちらのソファに腰掛け下さい、時間は未々あります故じっくり話し合えます」
「はいすみません。…………ソファの上に正座って、スゲー滑稽だな、今の俺の姿……」
「さあ。腰をおろした事ですしゆっくりとお話出来ますね。
ではもう一度訊きましょう。コレは、なんですか」
「はいすみません、今日の依頼主は女性の方でして、その方がよろけたのを助けたんです、多分その時に着いたのでは無いでしょうか」
「へぇ、今時あるんですねそんなベタな展開。苦し紛れのでっちあげにしては上出来です。
けれど銀さん。貴方は嘘を吐くのは少し苦手の様ですね」
「…………怖っ! マジ敬語怖ェっ!」
「……なあ銀さん? わたしはお前が以前浮気紛いの事をした時に教えたよな……お前が浮気したら、お前の目の前でソレをバラバラに壊してやるって」
「ザビ子、本当に誤解だ。マジで浮気とかしてねぇって、少しは俺の話を聞け」
「その躯にも刻んだ筈……けど刻まれ足りないみたいだな。
さて、愉しい快しいお仕置きの時間です。
わたし以外の女に触れたらどうなるか、その骨身に染み込むまで叩き刻んであげますよ。
今度は泣いたって無駄です、助けなんて求めないのが上策ですかね……」
「ほらなー、やっぱ聞く耳、持ってくんねぇじゃねぇかー!!」
其ノ壱、聞く耳なんて持ち合わせていません。
スイッチが入ったら何を言っても無駄です。
大人しくその身を差し出す事をお勧めします。
スケープゴートなんて求めないのが吉、しては惨劇しか待ち受けない事でしょう。
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