星屑の煌めき
(復活/雲雀)なってみよう!〜的篇〜
「やって来ました、節分! イッエ〜ス、エキゾチックジャッパーン」
「ザビ子、君、うるさいんだけど」
「節分用の大豆も買ったし、パチンコも買ったし、あとはコレを鬼に向かって力の限り叩きつけるだけっ」
「いやだから、ザビ子うるさいんだけど」
「因みに、これは全て風紀委員の経費で落ちました」
「ちょ、ねえなんなの君、なに勝手に経費使ってんの、然もなにこの量馬鹿じゃないの、つかなんで委員長の僕を通さずに経費落ちるの」
「奮発して10kg買っちゃいました☆」
「うーわなにコイツ、殺したい」
「という訳で、豆撒きしまSHOW!」
「聞く前からもう既に僕に豆を投げつけている君はなんだろう、つかまず聞いてもなかったねあのニュアンスだと、つか君は仮にも先輩な僕に対しての遠慮とかその他諸々はないの」
「鬼は〜外ォ、くたばれ〜雲雀ィ」
「っ!? 危ないな……パチンコに豆を装填させるな、そして標準を僕に合わせるな」
「日頃の〜恨みィ、日頃の〜つらみィ」
「今度は鉄砲か。古代兵器から近代兵器になってるし……学校に不要物持ってきちゃいけないよ、ザビ子」
「ふふのふー。トンファーを標準装備してる雲雀さんに言われたかねぇですよっと……積年の妬みィ〜、晩年の老後ォ〜」
「ちょっと待て、最後の奴は最早関係ないだろ」
「あはは、喋ってばかりいると足元がお留守ですよ、雲雀先輩」
「っの……調子に乗るなよザビ子────────……!!」
「いいえ先輩……調子に乗っていたのはあなたですよ雲雀さん」
「────……!? しまっ……」
「傲る平家も久しからず、です。
足元ばかりに気がいってしまわれると、頭がお留守になりますよ?」
「────────っクソ…」
「王手……ですね。どうですか雲雀さん、日頃虐げてきた後輩に主導権を握られる気分は?」
「主導権を握るもなにも、たかだか豆鉄砲食らったぐらいじゃ」
「甘い。先程アレ程撃たれたのに御気付きになられなかったんですか?
これ、確かにモデルガンですけど、改造モノなんで威力は恐ろしいで〜す」
「…………っ」
「まあ、節分ですからね。鬼は退治される日です、そして雲雀さんもコテンパンに退治される日だと良いなぁって」
「ザビ子。君は根本的に勘違いをしてるよ」
「はい?」
「僕は、そんなモノじゃ退治出来ないよ────」
「っ────あで!! いったァ〜……!?
ちょっと、なにすんですか雲雀さん……足払いした後床に叩き付けるなんてアナタ正気ですか。仮にも女の子なんですよ、私」
「どの世界にモデルガンを改造して豆撒きに使う女の子がいるんだよ」
「この世界にいますけどね。つか雲雀さん、なんですかそのニヒルな笑顔、気色悪いですよ」
「君、仮にも女の子ならそれっぽい反応をしてみろよ……どの世界に男に組み伏せられて平気な面して────いや、なんでもないや」
「何ですか。聖なる学び舎で『シケコム』んですか」
「…………君相手にそれはない、仮令そんな気分になっても逆にそんな気分になった自分に萎える」
「それなに気に失礼ですよ。全く、大体こんな体勢の一つや二つで騒ぎ立てる程私も女の子してません、よ」
「ワオ、まさか脱出するとは」
「これしき出来ずになにが英雄でしょう、組み伏せられても抜け出せる技術がなければ生き残れませんって。
たかが手首の一つや二つ、拘束されたぐらいじゃ慌てませんよっ、と」
「危ない、やっぱ至近距離で撃ってくるか」
「ええ、まだまだ豆はありますからね……続行させて頂きます。
豆が無くなるか、雲雀さんの体力が尽きるか────────1つ、勝負といきませんこと?」
「ッハ、上等だよザビ子。目に見える結果に挑もうだなんて、馬鹿のする事だけど……君のソレは死んでも治らないね。
いいよ、君は僕が咬み殺してあげるよ────遺書は用意したかな、ザビ子?」
「なにこのハイレベルな豆撒き……」
節分如きに命賭けています。文字通りの意味で。
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