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特別企画
10
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とりあえず、視界がぼやけているので枕元の眼鏡に手を伸ばした。
まったく、夢の中だって言うのに不便だ。



「奈緒しぇんぱあい?」

コテン、と首を傾げ下から覗き込んでくる悠紀仁。
この悠紀仁は普段より幼い喋り方をしている。……前、生徒会室で僕らの事魅了して振り回した悠紀仁だ。

夢の中にまで出てくるってことは、よほどあの悠紀仁をいつにも増して可愛いと思っていたらしい。



『……お酒、欲しい?』

「ちがう。コーヒーぎゅうにゅう。さっきの。」


サイドテーブルに置かれたカルーアのボトルに目をやる。

あれか。
コーヒー牛乳だと、騙されて口にしたのだろう。

コップに残ってた、甘い味の付いたカクテルを口に含み、悠紀仁の方に顔を向けた。


「んっ!」


いつもと違って恥ずかしがって躊躇することなく、こっちの意図を読みとってすぐに首に手を回して唇に吸い付いて来る。

……普段の悠紀仁もかわいい。いじめるとすぐ恥ずかしがって、「なんで」って顔して黙り込む。
それが限界になると、すごく頼りなさげな瞳で僕に助けを求めてきて……

それも可愛いけど。こうやって悠紀仁のほうから積極的になってくれるのも格別だな。


求めているのは僕の口の中のアルコールだけど、それでも悠紀仁の方からディープキスされている事実に変わりはない。

ぢゅっ、ぢゅっ、ぢゅっ、


やらしい音を立てて口内を貪る悠紀仁の腰を抱いて、さりげなく密着させるように抱きこんだ。


『……美味しかった?』


満面の笑みで、無邪気に何回か頷く。


『もっと飲む?』


途端、顔を輝かせてこちらを見て来た。
……現実的なことを考える頭なんてとっくに消え去ってる。





パジャマに着てたカッターシャツの上を脱いで、
ボトルを手に取り、原液のまま自分の上半身にかけた。


「!……ふぁっ……んん、ふぅ……ちゅぷっ、ん、む……ぷぁ、」


噛じり付く様に、茶色い液体を舐めとる。
喜んで僕の肌に垂れるアルコールに吸いつく悠紀仁の横顔が無垢で、可愛くて、あまりの背徳感に背筋がぞくぞくした。




スゴッ……

エロい。

柔らかい舌も、熱すぎる吐息も。
時折声を漏らしながら、頭ごと上下させて舌先でアルコールを追う。

酒のせいか、上気してトロンとした顔をしている。……どこまでも可愛い。


『もっと飲む?』

「ん。」

『じゃあ、イクときの顔見せて?』


下半身に手を掛けても、まだ瞼はトロン、と伏せ目がちにしていて、
怪しい動きをする僕の手を警戒すらせず「はやくちょうだい?」と無邪気にカルーアのボトルに視線をやっていた。

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