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キリリク


「お前にね、似てる。
レオ2号って付けるんだぁー。」


ふにゃぁー、と俺の大好きな顔で見上げられて、不意打ちに思わず心臓が跳ねた。

抑えようとしても無理。どうしても顔がニヤケる。



「?どしたん?
いきなりご機嫌だな。お前。」

『んー……
……なんかね、スッゲ取りたくなった。コレ。急に。』

「なんで?」

『取りあえず……チャリ銭切れたから、ユウ両替お願い。500円玉2枚作って来て。』

「ん?わかった。」



ここの店は、1000円以外の札はカウンターまで行かないと両替が出来ないようになっている。
……から、わざわざ野口英世も残ってたけど諭吉を手渡して。

1階まで行って帰って……時間稼ぎは十分に出来てるが、素早く実行へと移した。



『なぁ、……ちょっと、オネーサン、こっちいい?』

取りあえず1番近くにいた女店員の腰を抱き寄せて、自分の腕の中に引っ張り込んだ。


「な、んですかぁ……?」

『俺の連れがさぁ、これ欲しいっつってんだけど……どうやっても取れないんだよね。
せめて押したら落ちるようにしてくんない?』

「あの、……決まりで、駄目だって店長から……」


『ちょっとでいいから。
……ね?頼むって。もう大分つぎ込んでんだけど全然取れないんだよー。』


ハハッ……、日本語になってねぇー。

つかこいつ化粧臭くて死ぬ。
……早くユウに抱き着きてぇ。マジ死ぬ……。



胸ポケットにペンが何本か刺さってるのを見て、中からマジックを一本引き抜いて口でキャップ開けて女の手を取った。


その甲に、11桁の数字を書き込んでいく。


「あの、これ……?」

『……俺のケータイ。
後で電話して?』



自分の手ぇ見つめたまま、そいつは夢見心地で頷いた。

上目使いにこちらをチラチラ伺ってくるウゼェ仕種に、確信。


……ハイ落ちた。


あー疲れた。

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あきゅろす。
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