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キリリク
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翌日、起こしに来た看護師に見つかってかなり怒られた。



別にいいじゃねぇーか誰に迷惑かけてる訳でもねぇし。
むしろ俺の傷口はユウが居た方が格段に速く良くなるから。





『飯……食わして。』

「……しょーがねぇな。ホラ、口開けな。」



そのあと我が儘言って朝飯を食わして貰った。


そんで、今。



『……俺の荷物ある?』

「あるよ。
上着もシャツも、ナイフで裂かれて血まみれだし救急車の中で鋏入れてボロボロだから多分もう着れないだろうけど。」

『ケツポケに煙草とライター入ってるから、取って。』

「……傷口に悪ぃぞ?」

『でも吸いたいんだよ。我慢の方が身体に悪い。』



「……しょうがねぇなぁ……ッたく。
1本だけにしとけよ?」




渡された煙草にライターを持って、ベッドから降りようとして3日前の出来事を思い出した。



『……ユウ、煙草苦手なんだっけ?』

「あ?あぁ……。喉が弱いからな。」





ぐしゃ、と握り潰した煙草の箱とzippoをごみ箱にほうり込む。



「あぇ?何やってんの?」

『今日で禁煙。』

「……ふーん。」

『ユウ、煙草駄目なら……俺吸ってたく無いし。』



「そ……っか。」



少し照れ臭そうに笑って、また喉を撫でてくれる。



『……抱きしめたいから、腕だけじゃなくて中入って来て。』

「怪我してんだからあんま動くな。ひざ枕したるからそれで我慢しな。」

『……分かった。』





昨日みたいに、反転して覗き込む顔。



傷口に頭部の荷重がかからない様に気を使ってくれてる。




『また……ひざ枕、してね。』

「おう。したるよ。」

『抱っこも。』

「分かったよ。ホントお前、甘えただな。最初会ったときから全然想像つかねぇ。」

『嫌?』

「違ぇよ、思ったより可愛くて、嬉しい。」




くすくす笑いながら喉に手がかかる。

ふにふにと撫でられるその感触に目を細めた。



「……寝る?」

『寝ていい?』

「別にいいよ。」



それでも、少し詰まった俺の次の台詞。


それに気付いたらしいユウが……ふに、と蜂蜜みたいな笑顔で




「起きるまでいてやるから。」




その言葉に安心を覚えて、唇が知らず穏やかな孤を描く。

また、目覚めたとき傍に居てくれるユウの事を思い

幸せな眠りについた。






end

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あきゅろす。
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