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キリリク





「……可愛ぃー……」



時折寝息に寝言が混ざる。



伏せられていてもその存在を主張する長い睫毛で縁取られた瞼に、奈緒が口付けた。


「……テメ、奈緒。何勝手な事してんだよ。」

「起きてるときでも唇以外なら怒らないじゃん。
こんな可愛い寝顔滅多に見れないし」


また唇を落とそうとする奈緒を俊の手が遮る。


「フザケンナよ。テメェーと間接キスになんだろが。」

「じゃあ俊がしなきゃいいじゃん。」




「ちょっと、悠紀仁起きちゃうから静かに喧嘩してくんないスか。」


台所から適当に飲みモン持って戻って来た不動が二人を睨み付ける。


「そーだよオニィチャン。
何俺抜きでイイ事してんのさ。」


コップを持たされてた猛が不愉快そうに茶化した。




「邪魔は少ねぇ方がいいだろが。」


まだ距離のある二人に、見せ付けるように頬にキスを落とす。



と、



ふにゃ、と笑う悠紀仁。






「……あー……駄目だ駄目だ。何この生き物。可愛いスギんだろ。」

「今の写真撮りたかったなぁー……」

「…………。」

「うわぁ、俊ズリィ。至近距離で見やがって。」




「こうやって寝てるだけで、何もしなくていいから生徒会室にずっといて欲しい。
俺仕事サボらないで頑張れんぞ。」

「嘘付けよ。この前ずぅ〜〜っとにやけながら寝顔眺めてて仕事になんなかっただろテメェ。」

「お前だって書類そっちのけで悠紀仁の頬つついたりしてたクセに。」

「俊と僕じゃ役職が違うでしょ?」



ぐだぐだになりながら悠紀仁が起きるのを待つ4人。



――ピンポーンピポピポピポピポ――



チャイムの連打に悠紀仁が少し身をよじるのを見て、外の確認もせずにドアを開けて、無遠慮な訪問者へ文句を言おうとした……のがまずかった。



「うるせぇっ!!……ってうわ、獅子緒先輩かよ……」

「いきなり随分な態度だな春日ァ……あ?
また青タンこしらえてやろうか?テメェ。」

「いいけど?……ここでうるさくして、俺の事殴って、悠紀仁が起きたら怒られるのアンタだし?」

「……フンッ。」




口論をやめ、コレまた普通に上がってくる圭介。


居間に入って顔を合わせた面々で比較的いつもより静かなバトルが始まった。

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あきゅろす。
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