キリリク 6 後日、Vogue行ったときにマスターに昆虫図鑑を借りた。 「ユウさん、何見てるんですか?」 『お、タツヤ。ちっとね。探しモン。』 悔しながらも、シュンって奴の言ってたルリタテハとやらがどんなのなのか気になってしまっている。 「何をですか?」 『ルリタテハって、分かるか? ちょうちょの一種らしいんだけど。』 周りにいる奴らも、フルフルと首を振る。 『だよなぁー……これにも、揚羽と紋白くらいしか載ってねぇーし…… あ、ありがとね、健太』 マスターの息子に図鑑を返して椅子に座りなおした。 「それがどうかしたんですか?」 『いやちょっとね。その蝶々に俺が似てる、って言って来た奴がいて。 どんなもんか見てみたくてさぁー。』 次の日、わざわざ拓海が瑠璃鋏羽の写真を調べて持って来てくれた。 「総長、やっぱりこれ……似てますよ。綺麗です。」 青味がかった、黒。 光を受けて微かに妖しく光って。 一閃、裂く様に走る、青。 飛んでる姿が、見てみたいな、って。 そう言ったら、拓海が 「総長が喧嘩してるとき、飛んでるみたいですよっ!!」 って言われた。 いちぉ、ここ……俺のがっこなんですけど。 周り人いんですけど。 ついでに学校違うどころかお前自分の高校どうしたんだよ。 1人だけ違う制服でめちゃめちゃ浮いてんぞ。……よく校内に入れたな、お前。 [*前へ][次へ#] |