キリリク 7 『オイ。』 身体を起こして、立ち去るソイツの背中に声を飛ばした。 「なんだよ。」 俺の心臓、マジで何が起きてるんだ。 うるせぇ。 『お前、蝶々みたいだな。』 「……はぁっ??」 余りにも予想外の答えに、たっぷりの沈黙の後ユウの口が大きく開いた。 ポカン、とするのを気にせず、そのまま続けた。 『チームは極楽蝶だし、調度いいだろ。 ……色彩的には……そうだな。瑠璃立羽かな。』 『黒づくめに、……脚技放ったときだけ走る青いラインが綺麗だよ。 飛ぶみてぇにな。』 眉を歪ませて、口を開いて、ただでさえでかい目を更に見開いて……一言。 「馬鹿じゃね?」 ―ドクンッ― ……ああ、なんか…… 別に馬鹿でも、いいかも。 身体に合わない大型単車に跨がる背中に、 『図鑑見てみろ』 と怒鳴った。 走り去る時、振り向かずに左手で中指立てて、 俺に見せつけるように高く掲げた腕を振っていた。 ―ドクンッ― だから何なんだよ、コレは [*前へ][次へ#] |