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キリリク

 




和菓子を頬張る悠紀仁。

口の端についたあんこを舌で舐めとる悠紀仁。

「奈緒先輩は食べないんですか?」
の声にじゃあ食べさせて、と言って口を開けるとあーんしてくれる悠紀仁。


可愛い。ほんっと可愛い。


『……こいつがいなきゃなぁ。』

「俺だって自分の部屋で悠紀仁と二人っきりのがいーし。」


くっついてきて勝手な事言いやがって。


『まぁ……悠紀仁はお前の部屋に遊びに行ったりとか簡単にしてくれなさそうだし?
一緒になりたいなら僕が一緒とか気にしてられないよね。』

「……お前こそ毎回悠紀仁の事菓子で釣って部屋に呼んでるだろ。
物で釣るって事は自分に自信がねーんじゃねーの?」

『僕はただ悠紀仁の喜ぶ顔が見たいからお菓子食べる?って聞いてるだけだもん。第一悠紀仁は何があっても嫌な人のところだったらついて行かないよ。
お菓子はただのきっかけだし。……嫉妬はみっともないからやめてくれない?』

「嫉妬はどっちだよ。
俺がいると悠紀仁が俺の方来るからイライラしてんだろ?」

『あ?めでてぇ頭してんなお前。
いつどこで悠紀仁が俺の膝避けてお前のとこ行ったんだよ。』


売り言葉に買い言葉ってあるじゃん?


まーさぁ、久しぶりに悠紀仁と二人きりだと思ったのにこんなとんでもないオマケ付いて来たら不機嫌にもなっていいよね?
僕だって人間だしー。

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