キリリク
1
『クソッ……!
もうやってられるか!』
分かってるぜ?
分かってるさ。悠紀仁はまだ俺のものじゃないって。
分かってるけどよ、だからって四六時中俺ら以外の人間が俺らの部屋に入り浸ってていいって理由にはなんねーだろ?
「あーもー不動、お前の番だぞ!」
『……ん。』
今は何が楽しいのか双子と一緒にPSvitaで麻雀をやる羽目になっている。
面白くない。他のゲームなら悠紀仁を抱っこしながらプレイできるのに、手牌が見えちまうから麻雀の時は膝に乗ってくれない。
俺がプレイしてないときでも、自分の牌見られてるのは嫌だから、と。
何でも最初に(わざとらしく密着して)教えた村上以外は、後ろに人がくっついてるとどうしても集中しきれないらしい。
それでも他のヤツと遊ばれるのは面白くないので面子に名乗りを上げるのだが……
とりあえず悠紀仁は今麻雀に夢中で、最近はめっきり触る機会が減ってしまった。
いや、それだけならまだいい。この頃あんまり2人っきりになれないのも問題だ。
常に生徒会の誰かがいるんじゃ悠紀仁といちゃいちゃする時間が無い。
隙を見てキスやボディタッチを繰り出してるし、夜寝る前の性的接触もあるが、それとは別にこう……何でもいいから喋ったり、悠紀仁を膝に乗っけて同じ雑誌を一緒に見たりとかそーゆー時間が欲しいんだよ俺は。
一時考えて自分の発想に少しうんざりした。
なんだこのヘタレ。
[*前へ][次へ#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!