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キリリク


「さっさと戻れ!!
あ、英直さん、今度また何かやったら俺呼んで下さい。叱りに行きます。」

「ゆきちゃん?!」

「ご協力感謝します。」

「英直君?!」





やだぁ、もうちょっとゆきちゃんといる〜、と

泣きごとを喚きながら腕を掴まれて連れて行かれる悠臣。



「悠紀仁様、お客様でございます。」

「え?誰ですか?」



玄関脇の用聞きから出て来た使用人が、騒動がひと段落したのを見計らってそう告げた。


「悠紀仁様のお友達とおっしゃっておられました。」

「……ともだ……」



首を捻りながらインターフォンのある部屋に入っていく悠紀仁。
誰だろう、そんな約束してないんだけど、と首をひねりながら受話器を受け取って、カメラに写る人物に思わず大きな声を出した。



「うぉっ!!い、いきなりどうして……!!」



ゲッ、と嫌そうな顔をした悠紀仁が、向こうから見えてないのに画面から目を逸らして大きく溜息をつく。


「ゆ、悠紀仁様どうかされましたか?!」


その様子に血相変えて走って行く隆也。

雛人形の問題が収束してないうちに、この騒ぎを収拾させようと悠臣に(少し)同情した使用人の誰かが呼んできていたらしい。


「た、隆也さん隆也さん俊達来た!!」

「え?」

「ふっざけんな来る前に言えよ!せめて前日に!……俺今部屋ちょー汚ぇんだけど……!!」


インターホンの受話器に向かって慌てる悠紀仁。


「……また琉崎先輩達は……」


隣で呆れ顔の隆也。

ちなみにインターフォンカメラに映ってるのはあの双子だけだが、その横に三男と入口で鉢合わせた犬猫と変態王子も一緒に居る。





……藤堂家は今日も平和です。
end

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