純情boogying 2 「アキ……ごめんな? ……一人にすんじゃ無かったよ。ごめん。 今日はもう出なくて良いから、仮眠室で休んでな。」 「ひっ、……ぐ、ひぅっ、南、さ……南さんッ……」 「うん。ここにいるから。 大丈夫か?ジンに来てもらうか?」 「た、ばこ……ッ、嫌だ、俺、ジンにここ連れて来て貰ったのに、もう……やだぁ、痛いのやだよぉ……ッ!」 何でこんなに怯えているかだいたい解った気がした。 原因が【母さん】で、痛くて熱いのは……【煙草】。 【ごめんなさい】は、……。 胸にあったたくさんの白い斑点は、火傷か。 にしても、何で、ジンなんだよ。 俺の腕の中でさんざ泣いといて何でジンならええの? 「アキは……ジンが連れて来たんだよ。 今回はこんな獣がいる中一人にした俺にも落ち度があるからこんなもんで済ましてやるけど……、次、アキ泣かしたらジンに殴り殺されるぞお前。」 『……うっせ……』 怒り心頭な羽夜の声もどこか別世界で、俺は別の事考えて、それで頭いっぱいやった。 アキちゃん、泣いたの俺の煙草の匂いの所為なん? ジンと何あったん?何でジンならええの? 「あと、未智……お前、アキの素顔の事誰にも言うなよ。俺以外、知らねぇから。誰も。」 『……誰も、て……ジンも知らんの?』 「勿論だよ。 …………次はねぇからな。」 羽夜が、腕に抱き抱えて、そのまま連れて出ていっちまって。 『……言うワケ、無いやん……』 俺かて、俺かて泣かすつもりなんて無かってん。 知らなかったからしゃあないやん、なんて自分で自分の落ち着かん心に言い訳して、そんな自分にまた死ぬほど嫌気指した。 アキちゃん嫌なら、俺禁煙するし。 煙草なんていらんよ。 ……やから、もっぺん抱きたい。 部屋の隅、眼鏡落ちてんの見っけて、拾い上げて 手に乗せたら、レンズのとこ涙付いとった。 何や知らんけど、自分の事死ぬ程情けなくなって、ちょっと泣いた。 ……何でアキちゃんとの初対面あないにしてしもたんやろ。 [*前へ][次へ#] [戻る] |