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純情boogying
誰?
 



……えーと。



この前酔った客にボトルで殴られて額切ったボーイの応急手当して……どうしたっけ?俺。


……竟がいねぇどうも物の場所が……


『あ、あったあった。』


山と詰まれたファイルの間にプラスチックの箱を見付けて、取っ手を掴んでそのまま引き出した。


ばさばさばさ、と物の雪崩が起きたがまぁしょうがない。


「……俺、雑用に使ってもらうんですよね。
そこ、片付けていいですか?」

『あ、うん。後で頼む。
でも、まずは手当てしちまおうな?』



納得した様に、怪我をした方をこちらに向けて動かなくなった。


マキ○ンと、脱脂綿とカットバンを机の上に出してさて、と一息付く。



『髪と眼鏡、邪魔だから……眼鏡取って、髪の毛自分で上げて?』

「あ、ハイ。」


牛乳瓶の底並に厚いダサい眼鏡(しかも重そう)が、がちゃ、と音を立てて机に落ちた。


毛先が不自然に揃ってない髪。


顔を曝した気配はあったのだが、俺は生まれて始めてこんな分厚くてダサい眼鏡を見てちょっと興味津々でガン見していた。



「お願いします。」


一回であの量の髪の毛を全て上に上げるのは無理だったらしく、纏めるのを諦めて長い髪を横に流したアキが畏まって声を出す。


……見かけはアレだけど、コイツ声はちょー綺麗なんだよなー。




『はーいよ、……って……はっ??』



………………誰?

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あきゅろす。
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