純情boogying
これからの事
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『……さて、楓。
お前、あの母親以外に家族はいる?』
ふるふる、と無言で頭を左右に振られた。
『……こう言うのもなんだけどさ。
よく今までちゃんと生きて来れたな。』
あれが親で
「……育ての親は違う。
和子さん、って言って……その人だけが、俺の母親でした。」
『じゃあ……その人は?
心配してねぇのか?』
ここに呼べば、って言おうとして少し押し黙った楓に言葉を失った。
「……10日前に、死んで……」
『そ、っか……』
あぁ、ジンが重ねるはずだ。
コイツも独りなのか。
『……じゃあ、お前の事を引き取る様な親戚は?』
すると、少し考えたようなそぶりを見せて小さく呟いた。
「……わかんないです。」
『は??』
いない、とかならともかく。
……わかんない?
「……あの女、昔ホストに家の金注ぎ込んで勘当されて……親戚はいると思うけど、会ったこと無いし、話も聞いたこと無い……
少なくとも俺の事引き取る様な親戚はいないと思う。」
まぁ、金の事で実の娘叩き出すような家だから……その可能性は低い、な。
『いや、お前に血縁がいるかどうか確認したかっただけだから。
これから戸籍の事もちやんとしなきゃだし、それだけ解ればすぐに調べられるよ。』
問題になるくらいの額使える程度は金持ってる……つまり、中流以上の階級で秋月、って名字検索かければいいんだろ?
多分向こうが厄介払いしてくるから楓は晴れてジンの家族だな。
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