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純情boogying
初めてだから
 



……そんな、すまなそうな顔しないで欲しい。
思い出して辛くなって泣きそうになってるんじゃなくて……ただ、勝手に感極まってるだけなんだから。俺が。


「……思い出しちまったか?」


『違う……俺、人に優しくしてもらったの……さっきのジンみたいに、
【煙草嫌いなら止めようか】とか、俺に優しくしてくれたの和子さん……和子さん、俺の育ての親で……ッこの前……し、死んじゃっ……て、
……その人以外で、初めてだったから……
だから、ジンが……思い出させた所為じゃな……ッ』



ジンにはなんでも無い事だろうけど、免疫の無い俺にはちょっとの事でもスゴイ大変なんだ。


下を向いて必死に涙を堪えていたら、前から伸びて来た腕に頭を鷲掴まれてわしゃわしゃと掻き回された。



「……泣きたいなら泣け。
ガキなんだから、変に気ぃなんか使うんじゃねぇ。」


『……ふ、くぅ……』


ぐわんぐわん、と揺れる頭に、それでも言い表しようの無い温かさに、また涙が零れた。

ごつごつと頭に当たる指輪に、乱暴に掴む手に、何と無く泣きたくなって。



じんわりと滲んだ涙は他のと一緒に眼鏡に落ちて、窪みに溜まってふるふると揺れていた。

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あきゅろす。
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