純情boogying
2
通話が終わってから数秒後、チカチカ光るイルミネーションがメールの着信を知らせた。
中を開くと、圭介から。
愛想も糞もない、極限まで素っ気のない11桁の数字だけがその中に並んでいた。
求めると、自分の出来ることなら応じてくれる。
絶対に人の陰口を言わない。(すぐキレるけど)
お前の悪口を影でコソコソ言ってる馬鹿どもなんかより、圭介の方がずっと真っ直ぐで、まともだ。
イイ意味でも悪い意味でも、アイツは純粋過ぎる。
ガキがそのまま図体だけでっかくなって。……俺は好きだけど、アイツは住む世界が違いすぎて、俺にはどうにも出来ない。
一人で住んでる、あの……一階がガレージになってる、バイク好きのアイツの家も。
月に10日も使ってない。
残りを何処でどう過ごしているかも俺は知らない。
……電話すら繋がらない。
急ぎじゃなければ、メールかLINEで送っとくんだけど、返事がすぐ来ることもあれば数日未読のままの時もある。
だから今回は運が良い。でなきゃ羽夜経由して上に繋げてもらってめんどくさい事になる所だった。……そしたら形だけ、とはいえ貸しも作れなかったし。
ふぅ、と軽く息を吐き出してコピーした番号にコールを開始した。
こっちに帰ってくるとだいたい傷が増えていて、それが治らないうちにベットファイトに出て、金を稼いでいつの間にか消えている。
もっとお前にも、フツーのダチが出来るといい。
俺みたいな人間じゃなくて、もっと普通の、
お前と同じくらいの年の子で。
『……お前が惚れるとしたら、どんな相手なんだろうなぁ。』
神保さんも言ってたけど。ぜんっぜん想像がつかねぇや。
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