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純情boogying
異変
で……どこに連れてけばいいの?小児科?
いや、中学生は普通の病院でいいのか?

……そもそも病院どこにあんの?


視線に気付き下を見ると、思いっきりうろたえてオロオロする俺を楓が心配そうに腕の中から見上げていた。

な、何やってんだ、俺。楓が具合悪いのに。……俺がしっかりしないと。


『そ……うだ、楓。今からさ、医者呼ぶから。知り合いの。
確か往診やってるトコだから、電話してみる。……辛いのもうちょっとガマンな。』

ぽんぽん、と頭を撫でて楓をベッドに寝かせて立ち上がったところ、スーツの裾に引っ張られたような抵抗があった。

「よ、呼ばなくて……大丈夫。」

『なんだ……注射が怖いのか?』

「そうじゃないけど……」

『そうじゃないなら何なんだよ。』

ちなみに俺は注射キライ。店の命令でインフルの予防摂取受けたけど、マジで痛くて泣きそうだった。


『ダメ、こんなに辛そうなんだから。ドラッグストアで売ってる薬よりも、ちゃんと医者に診てもらった方が良いって。』


「…………、」


うつむいて言葉を考えている楓に、何を迷っているのかピンと来てしまった。

『また、金の事気にしてるのか?』

「…………ごめんなさい。」


何と言っていいのか、お互いに言葉を探っているような息苦しい時間が流れた。


楓は、なるべくなら俺に金を使わせたくない。
だけど具合が悪い自分を俺が放ってなんかおけないってのをわかってるし、何も解決しないのを知っているから言葉が出てこない。


俺は、そんな事全然気にしないし、むしろ楓のためなら金なんていくらでも使ったっていい。
楓の、その……奥ゆかしい、って言うの?
あれして、これ買ってって全然言わないのはスゲー可愛いと思う。だからこそ俺は何だってしてやりたくなる訳だし。

けど、そこまで遠慮しなくていい。
オネダリだって、もうちょっとしてくれたっていいのに。

楓のためならいくら使ってもいいよ、と口で言うのは簡単だけど……


『……頼むから、もうちょっと自分の事大切にしてくれよ……
俺の恋人なんだぜ?具合悪かったら、イチャイチャも出来ないじゃん。
……な?医者呼んではやく治して貰お?』


ちゅっ、と唇を啄みながら頭を撫でた。
もっと、と言い足そうな楓が長い睫毛を伏せがちに俺の目を覗き込んでくる。

あぁ、やっぱり美人だなぁ。超可愛い。
まったく、どうしてこんなに綺麗な顔なのにあんな勘違いしてたんだろう。



「治ったら……また、えっちなことしてくれる……?」


その可愛い唇が至近距離で囁いたオネダリに、一瞬意識が飛んでいた。

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あきゅろす。
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