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純情boogying
そんな顔どこで覚えたんだよ
 





『……じゃあ最後に一つ。

お前、テーブル殴った後……客に見せた顔。アレ、今まであんな表情してたことなかったよな?』

見てるこっちも胸が苦しくなるくらい、
切羽詰まった顔。

あんな顔客に向けてるところ見たことがない。……あんな表情作れるなら、今までにも使ってた筈だ。



「あぁ……アレ?
簡単だよ、別の奴の事思い浮かべながら喋ってんだから。」


唇の端だけ上げて、厭らしく笑った後
「じゃ、後よろしく。」
と一言だけ残してジンは店長室を後にした。



だって、お前……マジで惚れたことなんて、一度も無かっただろうがよ。


アキへの恋心を自覚したのか?
昨日の俺の電話で立ち止まったんじゃねーの?



まさか、もう、本気になっちまった後、なのか?


一気に背中に冷や汗が流れた。
え、……いや、手は……出して、ないよな?

アキ、中学生だぜ?あいつ22だろ?

流石に……うん。ないだろ。



……無い、よな?


アキの素顔を改めて思い出して、言い切ることも確信を持つことも出来ずに
誰もいなくなった部屋の中、空中に視線をやったまま暫く固まっていた。

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