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純情boogying

 





『……相変わらずお前は芝居が上手いな。
あの顔、演技だって分かっててもマジでビビったわ。』


「あ、やっぱり?
いいだろアレ、客落とすときにさぁ、ぜってー効くよなぁ。」

へへっ、と自慢げに笑うジンに思わず苦笑が漏れた。

その通り、ホストは客を落とすのを点数稼ぎか何か程度にしか考えていない。

本当の事がバレたら向こうは傷つくんだろうけどな。


『そうそう、お前がいないっつって切れてたのはどうやって執り成したんだよ?』

「別に、どうってことねーよ。先に相手が怒ってるとキレるタイミング無くすじゃん?
いきなり朝の4時に電話かけて起こして「俺がいないところで何やってんだよ!」って怒鳴って、その後でフォローいれながら宥めただけ。」

『成る程……けど、それ使えんのその客の本命だけだな。』


これから先またあの客がいちゃもん付けてきた時使おうと思ったんだが、逆ギレが出来るのはジンだけだ。

俺達が昨日あんなに時間かけて何も話がまとまらなかったのに……と既にやり場のなくなったイラツキがもんもんと渦巻く。


「あ……そうそう。
あの客から電話入ったらさぁ、俺は事務所行ったまま帰ってきてない、連絡つかないって事にしといてよ。
夜の部が始まるまで。」

『あ?』

「心配、させたいんだよね。罪悪感持ってくれた方が金使ってくれるだろ?」



……ヒモやりながらふらふらしてたあいつを見付けた時の俺の直感は正しかったが、正直ここまで客をコントロールするのが上手いとは思わなかった。

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あきゅろす。
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