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純情boogying
御手並み拝見
 



「龍君、さっき何であんなこと言ったの?
酔ってた私が悪いのは確かだし、どうせお金で済むことなんだから龍君が上の人に頭を下げる必要はないのよ?」

ヘッドフォンのボリュームを調節して耳を澄ませた。
1番マイクに近い席なだけあって、編集やノイズ処理しなくても生中継で話の内容がばっちり聞こえる。


「……俺が、登喜子さんの代わりに頭下げたらダメなの?」


画面に映ってから俯いたままだったジンが、さっき俺と対峙してた余裕たっぷりの態度はどこ行ったと思わず突っ込みたくなるようなションボリ具合でぽつりと呟いた。


いや、まぁ、これも演技なんだろうけど、相変わらず上手いなぁ……テレビに出てる俳優なんかよりもよっぽど。


「当たり前でしょ、龍君はそんなことしないで堂々としてればいいの。」


横に座るジンの、膝の上でズボンを握りしめる手を客が両手で包んだ。

俯いたまま、客から見えない角度でジンの顔に少しだけ嫌そうな表情が浮かんだのを見て思わず小さく笑ってしまった。


「……んでだよ、フツー、男が代わりに頭下げんの、当たり前じゃん……
俺じゃダメなのかよ、旦那には尻拭いさせてんだろ……ッ?!」


ぎり、
手の甲に筋が浮くほどジンの指に力が込められる


ダァンッ


刹那、磨き上げられたローテーブルにジンの拳が打ち付けられた。
昨日俺の首を締めてきたときのような、本気でブチ切れてる時の目。
画面越しにそれが見て取れる程の迫力に、演技とわかっていても息を呑んだ。




ひゅうっ、

苦しそうな呼吸が鳴った。

「……ッガキ扱い……、すんなよ……っ」




これが、演技だとして、
どうやって……そんな、死にそうなくらい切ない声出してんだよ。


やっと顔を上げたジンは辛そうな表情にうっすら涙を浮かべていた。




その縋るような、咎めるような、
「愛してる」と「ブッ殺す」がぐちゃぐちゃになった目で

見られているのは俺ではないのに心臓が跳ねて思わず画面から飛びのいた。

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あきゅろす。
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