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純情boogying

 




この後女が自分で警察を呼び、俺も連行されて取り調べを受けることになる。
まずいことに、びっくりして女に掴まれた腕を裂けたドレスの中から抜くときに肌を引っ掻いたらしく、爪の中から女の皮膚組織が検出されてしまったのだ。


そんでまぁ色々あって、結論から言うと、立件されずに済んだ。何とか。

そしてその代償に、俺は当事周りに隠していた性癖を包み隠さず暴露するハメになった。


何が悲しくて「自分がいかに男にしか性的興奮を感じないか」を詳しく語って物証まで出して証明しなきゃいけねーんだ。
あれはマジ気まずかった。

まぁ、途中から向こうの主張がおかしくなったんで警察のほうも「あれ?」って思ってたんだろうな。
元は客とホストだし、周りの証言やメールの履歴では明らか惚れてたのは女の方だし、
「刑事告訴されたくなきゃ私と結婚しろ」
とか言い出すし。 


そんで、その女が俺と相手サイド両方の弁護士と警察を含めた話し合いが実現したんだよ。
その女以外の全員が俺が冤罪であることを確信して、でも日本の法律では無罪放免にする訳にもいかず微量の金を俺が払って示談になるだろうと弁護士に言われて、それ以上の良い策は思い浮かばず泣き寝入りする予定だった。

しかしその席で
「自分が好きになった人が男が好きな変態だとは思わなかった。何のためにこんなことしたのかわかんない、酷い、
結婚はしなくていいから失恋の慰謝料をよこせ」
と女が盛大に自爆してくれたお陰で加害者になるのは回避できた訳だ。

ちなみに、逆に名誉毀損と虚偽の証言して俺を犯罪者にしようとした件について立件するか示談か迫って慰謝料をゲット。

しかし店はクビになった。


その後バイトみたいに手伝ってたとある会員制のバーで
「キャバクラかホストクラブを作りたい」と言っている暇を持て余した金持ちと出会って今に至る。


つまり、そーゆー訳でうちのVIPルームには監視カメラがついている。
ついでにマイクも。

うちのホスト達を3回も冤罪から救っている優秀なコンビだ。



あくまでも平静を装って、店を通り抜けて店長室に戻って椅子に座る前にパソコンの監視カメラの画面を呼び出した。

案の定カメラから1番よく映るテーブル、1番マイクの近い席にジン達がいた。
(京史郎以外のナンバーにはカメラとマイクの事を話してある。)

半ばはやる気持ちを抑え、中腰のままカメラの画質とマイクの音量をいじってそこに映し出されるやり取りに神経を集中させた。



……どうやら、ヘルプは入れずに二人だけで話をしているらしい。
やっと椅子に腰を下ろして本格的に盗み聞きを開始した。

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あきゅろす。
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