純情boogying
2
『……ハイハイ、了解しました我が儘クソ野郎。
しっかり罰金取っといてやるからな。
後お前来週定休ナシな。フルで7連勤、せめてものお情けで朝は月木金土日だけにしといてやるから。
……こんな無理きかせんのこれで最後だからな。』
いや、……ここは、弱みを握っておいた方が得策か。
「あぁ、ごめん、
……恩に着る。ホントに悪かった。」
『そーだな。マジ洒落になんねーくらい悪いわ。』
はぁ、とわざとらしくついたため息にジンが
「わかってるよ」
とでも言いたげに片眉を上げる。
『……今度やったら、俺や店がどのくらい迷惑被ったか、アキに言うからな?』
嫌だったら死ぬ気で稼げとわざと厭味ったらしく笑ってやった。
ジンが目を見開いて、表情を強張らせながら食い気味に弁明する。
「わ……わかってる、わかってるよ。
ちゃんと稼ぐし、もう無断欠勤しない。来週は全部出る、
だから……楓には昨日の事黙っといてくれ。」
本気で焦っているジンの顔を見て少し溜飲が下がった。
多少の無理をしてもクビになるはずがないとタカをくくりやがって。
まぁいい。ジンにとっては店をクビになるより嫌なのであろう
【アキに言い付ける】と言う最強カードを手に入れたんだ。
せいぜい鞭として利用させてもらうさ、この手札をな。
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