純情boogying
3
体の末端が震える。言うことを聞かない。
……四肢に叱咤をして、階下の和室に向かった。
神棚の奥、手を突っ込むがそこに求めていたものは無い。
覗き込むと、埃と、そこにあった紙袋を引きずった跡。
無い。
奥にも無い。和子さんは場所を移したりしない。
……分かってる。理由は一つしかない。
あの女だ。……あの、女が……
あ の お ん な
『家の権利書まで売りやがった……』
取り敢えず、今は、泣きたかった。
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