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純情boogying

 
普通に、暮らしてれば、当面の(俺が働ける歳になるまでくらい)生活費には困らない程度の額だった……筈なんだ。あの女が実家から貰った金は。


あの母親は働かない。
うちの母親の浪費癖を知っていた和子さんが働こうか、と申し出てくれたが……70を超えていた人に外に出てもらうわけにはいかない。それに、その時俺は中学に上がったばかりな上周りより成長が遅くて年齢をごまかして働く事も無理だったし。
生活費に、って管理してた金はちょくちょく引き出されて常識的な額を超えてバックだ服だエステだ(テメェの見てくれなら意味がねぇだろうが。)ホストだ(この女は俺の種親の件でまだ懲りてないらしい。)って次々に使い込まれて行ったらしい。

俺がかなり小さい頃の話だが、和子さんが持ってた通帳の過去の残高照会とあの女の性格と大々的に噂になってた近所の噂話(事もあろうかあの女は何かを買ったりエステに行ったりホストを連れて帰宅するたび自慢げにご近所さんに触れ回ってたそうだ。)から容易に想像は付くので何かの間違いでは無い。


和子さんは俺の馬鹿親の浪費を防ぐために数年前、その貯金は定期にしてくれた。



当然の如く、使い込まれていた貯金は俺が社会人になるまでなんてもつわけは無く、その金を生活費に回すことは諦めて和子さんは月々の年金と自分が今まで働いて貯めた貯金の残りとで俺の事を育ててくれた。


それでも、家の中に住む泥棒のせいで、何度も場所を変えて隠すも度々消える生活費に、常に最低水準とかその程度、或いはそれ以下の生活を強いられて来た気がする。

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あきゅろす。
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