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純情boogying
思考の行きつく先
 

一人になって、ずっと考えていた。

今までずっと俺は和子さんと二人で生きてくるのに一生懸命で、こんな事に思考を割く時間なんて無かったから。





だから、今になってやっと気付いたんだ。

……あぁ、和子さんは多分俺の事を怒るだろうな。こんな事を考えて。




俺は自分の事が嫌いなんだ。





正確には、自分の母親と父親と自分の名前と顔が嫌いだ。

嫌悪の対象でしか無い母親と、そいつが惚れた男の血が流れてる自分自身も嫌いだ。


金持ちの世間知らずの娘がホストに騙されて、家に黙って金注ぎ込んだ揚げ句捨てられて。

残ったのが、俺。


跡取りの良く出来た長男・その補佐に回った優秀な次男と、これまた金持ちの家に嫁いだ聡明な長女。

一人歳の離れた次女である俺の母親は、色々劣っていた所があったらしく前々から厄介者でしか無かったから。
膨らんだ腹に俺を入れて戻って来た時、僅かな生前分与を受けて家から追い出された。

バカ女が生まれた時から家に付いていた使用人が一人だけ、家事も出来ないバカ女の行く末と生まれてくる子供の生命の安否を心配して付いて来てくれて。


都内の分譲の安い一戸建てを買うことを提案して、金を出し渋った俺の母親に自分の貯金で折半してまで家を買って、俺の面倒をここまで見てくれた。
和子さんには本当感謝している。

俺がこの歳まで生きて来れたのは和子さんのお陰だ。
あの糞女と俺が二人きりだったら物心付く前に確実に死んでた。確実に。



金輪際家の事や俺に関わらず子育て放棄のネグレクトの糞ババァはその間も実家から分与で受け取った貯金を食いつぶすだけだった。

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あきゅろす。
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