純情boogying
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Sёparation Ёternell avec la plus chёre personne
【最愛の人との永遠の別れ】
十日程前、俺の、1番好きだった人が死んだ。
享年76歳。
死因について医者は、事件性のない、ごく普通の心筋梗塞だと言っていたが、現代にしては早過ぎる死だ。
苦しんだ様子が無かったのがせめてもの救いだった。
今日まで、そうそう泣く暇も無く通夜だ葬式だともの凄いスピードで何日か過ぎていった。
正直ここ数日の事はよく覚えていない。
俺は、和子さんが……1番好きな……大切な人が死んだのに、悲しいと言う実感が無くてただただいきなりの事に呆然としながら和子さんの友人や近所の人が手伝ってくれる中葬儀所への連絡や区役所への死亡届けやその他また色々と目まぐるしく動いていた気がする。でも、正直、俺……よく覚えていない。
和子さんが死んだ、と言う事を一生懸命理解しようとする頭に時々頭痛を覚えながら和子さんの事を考えるので精一杯だったから。
ただ・・・・5日前、遺体を焼いて、小さく小さくなってしまった和子さんを坪に入れて胸に抱いてその軽さにびっくりしたのを覚えている。
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