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純情boogying
新入り
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この日、この時間、営業時間を終え閑散とした店内は異様なムードに包まれていた。


アフターに出ていない限り全員出席することになっている、終業の挨拶。
この店の店長である羽夜から、会計のレジと有線で繋がっている店長室のパソコンから出力された本日の総売上と個人別の売上ランキング、雑誌の取材の予定や近日のイベントについて話がされ、締めがあり、後は烏合の衆と化して適当に寝る……筈だった。本日も。



何度も雑誌で取り上げられる、この街でその名を知らぬ者等いない程有名なこの店、【Amour éternel】。

永久の愛を唄い、それを信条として掲げるこのホストクラブでは、それを語るに相応しい外見の人間しか在籍しない。

イジリ専用、トーク専門のホストもいるのだが……それでも、安っぽい芸能人に等引けを取らない程度の容姿はしている。


ボーイも、客に不愉快を与えないよう……ホストと共に視界に入れても景色が害されない様、外見は採用の最低条件。

基本従業員の新規採用の募集はなく、特にホストは羽夜の引き抜き以外でこの店に入った者は少ない。


その小数者も、友人や知り合いづてでホストとして成功しそうな者を直接雇ったり……なので、ハズレを引くことは滅多に無い。

スカウトから紹介された人間は仕事に責任感が無く、性格も仕事ぶりもどの程度稼ぐかも分からない上最悪掛け放ったまま行方をくらましたりする事が多々あるらしい。(そうじゃない人も勿論いるんだろうが)

(掛け……客のツケ。バンスとも呼ぶ。)



その店に、新しい従業員が入ることになり……店長から紹介がされた。

締めがされる前に関係者口から呼び寄せられ、手におたまを持ったまま前に立つ……店長曰く【新入り】。


何故おたまを持ったままなのか

とか

ここで働かせるには法に触れる年齢なんじゃないか

とか


当然疑問に思うべきところに突っ込んだの者は3人を除いて皆無であり

それ以外の全員がそこに現れた者の容姿に激しく疑問を抱いた。



アレ……よくこの店入れたな。

と。

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あきゅろす。
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