純情boogying
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余談だが
2007年に風営法が改訂され、ホストクラブ等は営業が午前1時まで、と制限がかかってしまっている。
少なくなった営業時間分、多くの店では朝の部としてモーニング等実施している。この店もその一つである。
朝の部も店に出るホストはそのまま店に泊まり込み、仮眠を取って開店1時間前くらいにもそもそ起き出す。
その場合、この店では売り上げが多いと仮眠室、その下は店のソファ、更に下は床に敷いたエアマットに雑魚寝……となる。
中には上に寮の部屋がある者もいるが、ほぼ全員敢えての雑魚寝を選んでいる。
まぁ寮も3人部屋だから人口密度の上ではあまり変わらない、と言うのもあるが
ボーイ達は雑魚寝とは無関係の為、閉店後の清掃が終わると半ばカオスと化しつつある自分達の部屋へとのそのそ帰っていく。
パイプ式の2段ベッドとロフトを無理矢理押し込めた10畳のワンルーム。
プラス異臭。(煙草、酒、店で移った香水の匂い、発生源のわからない臭いetc)
ホスト達の部屋もこんなもんだが、ボーイ達も本音としては店内での雑魚寝の方がまだマシと思っているだろう。
自分のマンション(正確にはそのほとんどが客から買い与えられた貢ぎ物)持ってる奴もいるが、そーゆーのはほとんど一回自宅に帰る時間のロスを考えて少しでも睡眠時間に充てている。
そして、デリヘル嬢や夜勤勤めの担当客に削減できた時間使って寝る直前ギリギリまで営業活動。
普通の人間が寝ている時間帯にこそ、営業できる客もいるのだ。
昔と変わった営業時間帯に、だが依然として明かりの落ちることの無いこの街は新しいしきたりにすっかり馴染み、夜に眠らない住人たちも表向きはこの時間からひっそりと息をひそめる。
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