極楽蝶華
だーれだ♪
「「「「キャ━━━━━!!」」」」
「「「「ギャァァ━━━━!!」」」」
こいつらとは仲良くなれそうだが、初対面の相手にキスする副会長やら初対面の相手の首ギリギリ絞めてくる会長やら初対(以下略)のヘソ舐めてくる同室者のことを考えると、あのまっっっっずぃ未確認物体でさえ懐かしく感じる。
あー、俺の愛しの竜太(750ccバイク。バイクの部品であるルーターから命名vvv)にも暫く乗ってない。
物思いがちにカルボナーラをぐりんぐりん巻いてたり、そんなことしててあの黄色と黄土色の悲鳴の元凶が近づいてきているのに気が付かなかった。
いきなり後ろから抱きつかれ、体が傾いだ。
「だーれだ♪」
俺は条件反射で『まった親父ふざけんなやテメー』と言いそうになって『あ そーだそーだここには親父いないんだvvv』って思ってから
『じゃぁこの過度なスキンシップをしてくる相手は誰よ?』と考えて
微笑を張り付けた変態王子
へと俺の思考は収束した。
『やめてください先輩。制服にソースが付きますよ。』
腕を剥がしながら出来るだけ迷惑そうに言ってみた。
「……悠紀仁、僕名前で呼べって言ったよね?」
悲しそうな顔してもダメです。
目 が 黒 い ですよ?
そのうちレーザーでも出そうだ……
てか聞いてくださいよ。人の話を。
「悠紀仁……その人、……知り合い?」
誠、何で顔引き攣ってんの?
『不可抗力でちょっと。道教えてもらったんだよ。……つーかいい加減に手ェ話してください奈緒先輩。』
周りも一斉に静かになった。
――多少の耳打ちが飛びかう音を残して――
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