極楽蝶華
漁夫の利
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『それはさ、一対一で謝りたいな。』
「……何をされるつもりですか?」
『謝るだけ。悠紀仁が嫌がることはしないよ。
それに、ここでしたらまたぐだぐだになると思うよ?
それは君も望んで無いよね?』
複雑な顔をした後、ぎりぎりの譲歩。
「……何かあったら、私をお呼びください。」
何回も念を押されて、奥の個室に悠紀仁が入って行った。
『じゃ、最初僕ね。』
「ふざけんな。」
「……横暴過ぎやしませんかね、久遠先輩。」
『ここは公平にさ、来た順でいいじゃん。』
「……じゃー俺が一番手だろ。」
「獅子緒、オメェーは最後だよ。」
「何で。」
「色々優遇されすぎだ。」
「半年も前から悠紀仁の傍に居た穴埋め。」
「……言うこと聞くと思ってる訳、俺が。」
「実力行使ならど〜かなぁ?」
『じゃ、行ってきます。』
「「「「あぁっ!!」」」」
まだうるさい4人を置いて、手早くドアを閉めた。
漁夫の利、ってヤツだね。
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