極楽蝶華
作業内容。
「そして……役員就任まで、悠紀仁様の身分が隠れる……それが叶ったら、」
『叶ったら?』
「もしかしたら。
……もしかしたら、だが、悠紀仁様がご自分の容姿に少し自覚を持っていただけるかも……しれない。」
『…………。』
「…………まだ希望的観測でしか無いが。」
『……や、希望持たねぇ方がいいと思うよ俺ぁ。』
「実際私と久遠先輩も【運が良ければ】程度にしか考えていない。」
『……まぁ、なるといいけどな。』
「あぁ…………。」
……ホント、勘弁してくれよあのお姫様はよぉ。
「まぁ、悠紀仁様に完璧に被害が及ばない様にして、その一連の作業が悠紀仁様に知られないのが大前提だがな。」
『……ああ。』
知ったらアイツはまた気にするだろうからよ。
『まぁ、悠紀仁を完璧に守る……これは、俺らなら【そう難しい事じゃない。】』
「あぁ。分かってくれて嬉しいよ。」
『親父の力借りんのは釈だが、仕方ねぇ。』
「御祖父様にも頼むよ。
水面下から遠回しに圧力を掛けて貰ってくれ。」
『げっ……
……まぁいいけどよ。悠紀仁の為だし。』
国会議員の父親、かつて総理大臣だった祖父。
俺が担当するのは中央政界か。
地方議会は地元企業の元幹部や財界人で固められているからまだ若造の兄貴がやれることは無い。
そっち側から琉崎か藤堂が攻めるんだろう。
まずこの学園の名簿調べて両親か親しい血縁に中央政界に身を置く人間がいるか調べなけりゃだな。
……いや、恐らく
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