極楽蝶華 一人だけ同行 「じゃ、俺レオと彰んとこ行ってくんね。」 『……じゃあ、俺先に寮帰ってるから。』 「帰す訳ないだろう?」 振り返ると、胡散臭い笑みを湛えた副会長。 「悠紀仁の用事が終わるまで、春日には生徒会の仕事してもらわなきゃ。 ……どんだけ溜まってると思ってやがる……」 うわ、今口から毒が溢れた。 副会長を中心に禍々しい(マガマガシイ)空気が渦を巻いているのは決して気の所為じゃ無い。 「もちろん、俊と猛も返さないからね?」 席を立った二人に釘を刺し、何かを諦めた双子が腰を下ろした。 『……て訳だ悠紀仁。終わったら連絡くれ。』 なるべく早目に。 「ん。分かった。」 「じゃ……ミナサマ方。俺はユウと一緒に遊んでキマース♪」 クックック、と 圭介が嫌味っぽく笑って悠紀仁と共にドアの向こうに消えた。 「自分で片付けてよ。」 そのドア目掛けてマイセンのティーカップを振りかぶった会長に、久遠副会長が冷たく言い放った。 「……チッ……」 やり場の無い憤りと共に、勢いよく立ち上がった俊が低く呻く。 「……獅子緒……あいつ……2学期からは生徒会入れてやっからな……」 これで、オクタゴンの悠紀仁以外の7人が全員生徒会になった訳ね。 [*前へ][次へ#] [戻る] |