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極楽蝶華

 
 

『んぁ……』



自分の中の物が擦れ上がって、情けない声が喉から漏れた。


身体を支えきれずに崩れ落ちる。




『ふんぅっ……』


銜える金属が自分の声に併せてビリビリと鈍く響いて、すごく嫌な気分になった。







「……オイ、あれ、……何。どうしたの?」



そのまま呼吸を落ち着けようと肩を上下させていると、前方から声が聞こえた。

いくつかの人の気配が自分に近付く。

そうだ……お願い、こっち来て、

解いて、腕の枷を外して、ねぇ、


「この子って……あの、ユウちゃんじゃねぇ?」

「え?!……あ、マジだ!!」

「ちょ、お前目隠し取ってみろよ。」





しばらくして、視界が急に明るくなった。



光の量に戸惑っていると、段々と自分の周りがどうなっているか網膜に映って来た。





周りの目線が自分の身体に注がれてるのに気付き、今の自分の格好を思い出して目を臥せた。

頬が一気に熱くなるが解って、それが余計に羞恥を煽る。




「肌……白ぉっ!!」

「……細ぇー……すげぇ……エロイかっこ。
ねぇ、これ何かのプレイ……?」




無遠慮にベタベタ触られて、また恐怖感が出てきて。



後ろで固く握り絞めた手に、汗が滲んだ。


「ちょっと退け。」




一人が、自分のズボンを上まで上げて、前を閉めてくれた。



ベルトまでは留まっていないが、安心感に息が漏れる。



そのまま脇に手を入れられて、抱き上げられて




「さぁーあ……今度は俺らとイイ事しよ?」

「寮行く?」

「我慢出来ねぇよ。」

「なぁ、その辺に鍵開いてる部屋ねぇ?」






上から降ってくる声。





再度襲ってくる、先程の感触。




やだぁ…… 


何処か切ったのだろうか。



口の中に血の味が広がった




―ガコッ―

「ぎっ……ぁう!」




上半身を跳ね上げて、自分の目の前にある人物の顔に思い切り頭突きを叩き込んだ。


『っくぅ〜……』


自分も、落とされて背中から床にたたき付けられて一瞬息が詰まる。



「テメっ何す……がっ」



すぐに意識を立て直し、自分に腕を伸ばすヤツの腹に踵蹴りを入れて……。

『……んあぁ!』



けど、動くたびに中が擦れ上がり、まともな考えができない。


熱っぽい目をした男達が、また腕を伸ばして覆いかぶさってくる。



ただただ怖くて、殆ど無意識に足を払った。



壁にもたれ掛かって自分の体重を支え、爪先を相手の腹にめり込ませる。



その反動か、後ろの壁が動いた。

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あきゅろす。
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