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極楽蝶華
俺、迷子……?
 


3時限目前の休み時間。





うーん。困った。

移動教室の帰りに忘れ物に気付いて誠達とはぐれたのがいけなかった。

特別教室がある棟は初めて行ったのだが、
『たかが高校の授業の実験か何かに果たしてここまでの設備が必要なのかどうか』
について考えてるうちに一時間終わっちゃったし。


ところで

完璧に迷ったらしく先程から今自分が何処にいるか見当もつかない。

こんだけ広いんだから某鼠の国を見習って案内板を置くべきだと思う。

……せめて誰かいれば道を聞けるんだけど……


キョロキョロしつつほぼ適当に歩いていたら、突然道が開けて庭園のような場所に出た。

……ここは日本ですよね?

ベルサイユ宮殿のような以下略。

サプライズに慣れ始めてる自分がいるよ……

反復効果って恐いね。うん




滅多に人が来ないような場所にあるわりには金・手間が掛かりすぎ……

見事な剪定の垣根と雑草が一本も生えてない花壇に思わず見惚れてしまった。

薔薇は虫とか病気に弱いからここまで育てるの大変なんだよなー……


見事な大輪の花びらを誇っている薔薇に顔を近付けてまじまじと見ていると、

軽い振動が背中にあった後突然茂みが目の前に迫ってきた。


『……あだぁっ!痛い痛い痛い痛い痛い!!』


俺薔薇の茂みにダーイブ☆


痛い痛い痛い痛い;

刺が腕やら服やらに引っ掛かって取れない……

下手に動けば枝も折れるしなぁ……

先程の振動は明らかに人為的なものなので、無駄かもしれないが後ろの人物に助けを求めてみよう。



このまま無理矢理立ち上がって花を散らしたり枝を折ったりしたらここの庭師さんに申し訳ない。



そのままの態勢で薔薇の蔦の間から後ろを見上げた瞬間……


『Σげぇぇっ!!』

今会いたくなかった;


俺今身動き取れないのに……

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あきゅろす。
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