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極楽蝶華
何が、あった……?
 




『ι!!』



悠紀仁から外されて自分を捉えた視線×5に心臓が縮まる思いをして何か言われる前に後ろを向いた彰。


賢明だね。





ほっと胸を撫で下ろしていると後ろからまた喧嘩のけしかけ合いが勃発していた。



いやいやホント悠紀仁の腰が細いとか触り心地とか互いに牽制し合って自慢とか本当に俺抜きでやってくださいってば。

なんかもう俺の存在が無視され気味なのは大変有り難いけど無かった事にされるのはちょっとなぁ。
目の前でやられてアレな事もあるし。


生徒会の方々同士の喧嘩とか口喧嘩とかいちゃもんの付け合いとか悠紀仁の取り合いとか取り合いとか取り合いとか。


……あれ?


彰、先程見た悠紀仁の姿を思い出し……首を捻る。


別に悠紀仁の半裸に欲情した訳じゃ無いですえぇそれはありません!!



誰に向かって弁明している。



……自分は、【アレ】を見たとき……また、この人達の間で揉め事が起きるな、って……思ったのに……


何で誰もその事に触れないんだ?


むしろ……わざとそれに触れない様に……



悠紀仁が俺に笑いかけただけで凄い敵意丸出しのあの人達が……何でだ?

何で何の反応も示さない訳?



あの……白い肌に、くっきりとその存在を主張する……紅い痕。



……誰が、悠紀仁にキスマーク……あんな沢山、付けたんだ?



何で……あの人達は……それに触れないんだ……?




確かに、悠紀仁が服を脱いだ肌に残った痕に少し顔をしかめた。

あの人達は。



だから、敢えて触れないんだろう。
……その事に。




何でだ?


まるで、その事を隠すように。触れない様に。




『!!』



最後に、最悪の仮定が浮かんだ。


嘘で、あってくれ。






……悠紀仁……お前、何があったんだ?

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あきゅろす。
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